小話 | ナノ

満月が眩しい夜だった。

なまめかしい水音と肌と肌がぶつかり合う独特の音、月の光に照らされた男女がもつれ合いぴたりと重なるシルエット。

荒れた呼吸と普段よりも高いトーンで啼くなまえに我愛羅は口元に満足げな笑みを薄く浮かべた、上気するお互いの身体は燃えるように熱い。

自分の上で緩く腰を沈めただけのなまえに、一瞬眉根を寄せ、両手で腰を掴むと自分の方へ引き寄せる、ぐち、と響いた音と共に一際高い嬌声がこだまする。

我愛羅に跨るなまえ、深く繋がった二人の結合部が時折いやらしく光る、それを皮切りに、踊るようにうねりだしたなまえを我愛羅は下から見上げ、突き上げた。

下から突かれ、揺さぶられるたびにびくびくと反応して身体を仰け反らせる、深い場所に行き着いた瞬間に我愛羅をきつく締め上げる、くたりと力無く我愛羅の上に倒れ込んだ、体制を変え、繋がったままなまえ下にして覆い被さる。

最初のような嬌声は上がらないものの、律動には敏感に反応、短く荒い呼吸に生理的な涙目がどこまでも我愛羅を激情の淵に追いやってくれる。

優しく丁寧に、もっと紳士的にと頭ではわかっているのに堪えきれない感情が理性をかき乱す、そんな自分を全部包んでくれるかのようになまえは大丈夫、と柔らかく笑む。

途端に欲じゃない違う感情が込み上げた。

「なまえ……」
「があ……泣い、てる?」
「すまない」
「も、いいの、に、好きにし、ていい、から
「すまない……っ」

気が触れるまで、ずっと。

苦しくて、愛おしくて、堪らない。

気が済むまで、抱いた。


絶倫我愛羅
20130921
 / 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -