お互いに一糸纏わぬ状態で一つのベッドを共用、目の前で眠るなまえの髪をゆるゆると梳きながら小さく「すまん」と呟いた。今日もまた無理をさせた、情事となると途端に余裕がなくなりいつもなまえを掻き抱くことになってしまっている。
目の前で踊るように、艶やかに、淫らに鳴いてくれるなまえが愛おしくてずっと離したくなくてこのままひとつに溶け合ってしまえたらいいのに、とさえ思っていた。
「が、あ……?」
「なまえ、すまん」
「平気、大丈夫だっていつも言ってるのに」
「受け止めてくれるのはいつもなまえだ、その優しさに俺はいつも甘え過ぎてしまう」
「甘え過ぎるくらいが丁度いいんじゃない?」
「しかし」
「我愛羅って誰かに甘えたこと、あんまりないでしょ?」
「そう、だが」
「私、おもいっきり甘えてくれた方が嬉しい、だって我愛羅が私のこと大好きって実感できるもの」
ふにゃりと笑うなまえがたまらなく愛おしくてこれ以上の幸せはきっとどこを探してもない、胸に頬を寄せて預けるなまえの柔肌、壊してしまわないように、それでいて絶対に離すまいと腕を絡ませて閉じ込めた。
「我愛羅」
「ん」
「すごい心臓が忙しそう」
「なまえのせいだ、ひどく苦しい」
「どうしたら治る?」
「……いや」
騒ぎ立てる心音、芯から火照る身体、触れる肌の感触が狂おしいくも心地いい。
「これは、治したくない」
なまえを愛おしむためなら喜んで苦しもう、胸の痛み、それさえも愛おしい。
愛くるしい
20130430
← / →