小話 | ナノ

さて。

年齢がついに二桁になった我愛羅くんですが、最近ますます強くなって、ますますきっつい性格になってまいりました、特別に個人的な稽古相手を任されてるんですが、マジ怖い。稽古をつけてメキメキとめまぐるしい勢いで成長してくれるのはほんと嬉しい。

でもさ、我愛羅くんてばマジなのよ、演習っつっても寸止めっつってもガチで殺しにかかってくるから毎日綱渡りなわけですよ、命からがら。一応礼儀作法とかはきちんとしていて、始める前に「お願いします」とか終わってから、私今日も無事に生き残れたわー生きてるって素晴らし!なんて心底安堵してると「ありがとうございました」って。

でもすっごいちっさい声、時々舌打ちとかするんだけど、前に思わず突っ込んだら(えっ舌打ち!?舌打ちしゃう?わけがわからないよ!)ものっそい睨まれちゃってねーあははー!私もまだまだ死ぬわけにはいかなくて(いや別に大した理由はないけど人生もうちょっと謳歌したいっていうか、彼氏とか欲しいし)自分自身の稽古も3倍に増やしたし。

「ところで我愛羅くん」
「……」
「君、三食きちんと食べてる?」

稽古量を増やした分、私は食べる量も3割ほど増えた、食べても動くからプラマイゼロ。ただね、食費がプラスになってるのが少しばかりネックかな。給料上がんねえかなマジで。

つまり何が言いたいのかというと、メキメキ強くなっていく我愛羅くんですが、最近ちょっとやつれたかなあと思って、育ち盛りだろうしもっとふっくらしててもおかしくない、私は年相応の子どものふっくらした頬っぺたが好きだ!ぷにぷにつんつんしたい!以前我愛羅くんに頬っぺた触らせてと言ったら流砂瀑流かまされたので、いつか不意打ちでぷにってやろうと思ってる。それでちゃんと食べてるかどうか聞けば、ただじろりと睨まれただけ。

イライラの元はカルシウム不足ってこともあるだろうし、空腹時もそうだ。(少なくとも私はそう)そういえば前に遠征任務に行った時に買ったお菓子がまだ残ってたはず、ごそごそポーチを漁ればカラフルなキャンディがいくつか残ってた。

「ちょっと今は手持ちがこれしかないけど」
「……」
「何味がいいかな」
「……いらない」
「これがいいよ、我愛羅くんの目の色とおんなじグリーン!」
「……いらな」
「ほい」

メロン味かな、拒否する我愛羅くんを無視して包みからキャンディを取り出す、半ば無理矢理唇に押しつければ渋々口を開けて食べてくれた。たかがキャンディ一粒でも何も食べないよりはいいと思うよ、今度美味しい焼肉屋さんに連れてってあげようかな。

「味も色々あるし美味しいんだよね」
「……甘い」
「キャンディだからね」

口の中でしばらくカラコロ転がす音がしたかと思えば、ガリボリバリ!とすごい音がした、我愛羅くんキャンディを無表情で噛み砕いてる!怖い!

「いつかお前もこうしてやる」
「お、オォウ……」

宣戦布告か挑発か、もう一個食べるか聞いてみたら無言で手を出してきた。

照れ隠しだと信じ込まなきゃやってらんないね!

噛み砕け!

20131103
 / 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -