春1 | ナノ


風円前提のフィ円NTRです。カワイソ丸になると思うので恰好良い風丸と一途で可愛らしい守と良い人なフィディオとイチャイチャな風円がお好きな方はご遠慮ください(笑)


「えんど……」
「ん、ん……ぅ」
男にしては綺麗な、すらっとした指が円堂の肌を撫でる。春を迎えたとはいえ未だ肌寒く、冷えた空気と肌を這う感触にに円堂はぶるりと身体を震わせた。夜気に晒された円堂の肌に、青緑の細い髪が触れる。普段は頭の上の方で結われた風丸の髪は、今は解かれ、重力に従い垂れている。夜伽の際にそうすることが、円堂と風丸の間で密に交わされた約束だった。
がり、と風丸が音が立つほどに強く円堂の鎖骨を噛むと、あ、と驚いたような、呻くような声が円堂の口から漏れる。何度体を重ねても生娘のような反応をする円堂に、幾度となく風丸はたまらなくなった。

卒業式を終えて数日経つ。円堂と風丸の関係が始まってから、2度目の春だった。3年になりサッカー部を引退してからも部員の仲は相変わらずであり、それぞれの道は違えどこれからも定期的に顔を合わすことにはなりそうだということが伺い知れた。
周囲から見ても特に強い絆が感じられた風丸と円堂は、周りに気付かれることもなく心と身体を通わせている。指先を触れ合わせ、手を繋ぐことから始まったこの関係は、男女間の恋愛とも寸分違わぬ、切ない純愛だった。互いに触れたいと思う甘い感情に、世間に認められることはないという背徳の味に少年たちの心は擽られ、夢中になっていた。

性行為は週末に風丸の部屋で行うことがお決まりとなっていた。二人は服を脱ぎ捨て、産まれたままの姿になる。風丸の、繊細そうな風貌に似合わぬ、ほどよく筋肉のついた肉体が露わになり、円堂はごくりと生唾を飲み込んだ。もうすぐ高校生になるというのに、どれだけ体を動かしても引き締まりきらない体にコンプレックスを感じる円堂は、昔に比べ逞しさが際立つ風丸の肉体に男らしさを感じ、しかし昔と変わらず女のようだと言われ続けてきた顔とのギャップにえもいわれぬ興奮を覚えた。
円堂が舌を伸ばし、風丸の股に顔をうずめた。男根を唇で挟まれ、風丸の腰が少しびくつく。頬をへこませ強く吸いながら男の一物をしゃぶる姿に、風丸の口端が吊り上った。あの円堂が自分だけのものになった、何度そう歓喜しただろう。その感動は薄れることなく、今も風丸を昂らせる。

初恋で、純愛。風丸にとっては円堂との恋愛がすべてだ。だからこそ、円堂の一挙一動が愛しく、また興奮をもたらす。円堂が生娘のような反応をするのと同じように、風丸は猿のように円堂を求め、毎々初体験を迎える少年のように心臓を高鳴らせる。それが風丸の愛の大きさであり、若さだった。

程無くして、男根がそれなりの硬度となったことを自覚した風丸は円堂から体を離すと、そのままその身体を押し倒した。正常位で挿入できるよう体勢を整えると枕元のローションに手を伸ばし、キャップを外すと乱雑に円堂のアナルに中身を垂らす。以前に比べ使う回数が増えたために赤黒く変色しつつある円堂のアナルは、ローションに濡れる感覚とその冷たさに、ひくひくと蠢いた。風丸はそれを見るとどうしようもなくなり、慣らしてもいないそこに先走りを垂らした己の男根を突き立てた。
「うわっ、あ、あっ」
突然の挿入に円堂は顔をしかめたが、尻穴は切れることもなくずぶずぶとペニスを飲み込んでいく。さすがにきつい締め付けに風丸も眉を顰めながら腰を押し進めた。ペニスが入り切ったところで軽く唇を合わせ、すぐに風丸は腰を引き、打ち付けた。
円堂も、我慢の効かない豚のように交わることが好きだった。初めの頃は相手がいくら幼馴染であっても男に掘られてよがる自分に情けなさと恥ずかしさを覚えていたが、今では簡単に快楽に溺れることができたし、肉欲に溺れる相手にも、自分にも、興奮していた。
風丸の動きは激しさを増し、円堂も絶頂に至るために自らの性器を手で擦る。ぐちゃぐちゃと品のない音が響き、二人の欲望を掻き立てた。いく、いくとうわごとのように呟く円堂は普段の活発さからは想像もつかないほどに淫らな表情で、風丸を見上げる。風丸の呼吸は荒くなり、円堂の声は次第に小さく短くなっていく。抜けそうなほどに引き抜かれたペニスを勢いに任せ前立腺に叩き込むと、円堂の全身が硬直し、ぎりぎりと尻穴が締まった。
「ひい、あっ、んんっ!」
自らが施した前への刺激と一物を出し入れされる快感に達した円堂は、しばらく息を詰まらせた後、全身の力を抜き荒く息をつく。風丸はペニスを尻穴から抜くと軽く扱いて精液を円堂の腹にぶち撒けた。

「えんどー、好きだ…」
「おれも、風丸だけが好きだぜ」
吐きだした精液もそのままに、風丸はベッドに倒れこむように円堂を抱きしめた。円堂ははにかみながら風丸を抱き返し、暫くそのまま眠った。


そのまま風丸の家で一泊し、翌朝帰る支度をしていた円堂に、風丸は送るよ、と声をかけた。円堂はそれを快諾すると靴を履き、誰にも見られないよう、こっそりと手を繋いで外へ出た。春を迎えたばかりの晴天の下では、ソメイヨシノの花弁が姿を見せ始めていた。




続きます
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シバタさん誕生日おめでとうございます(笑)遅れてすみません(笑)結局まだフィディオ出てきませんでした(笑)