「ん、んん……」 「は…、円堂くん、初めて?」 ユニフォームの胸部に手を入れながら耳元で囁けば、円堂はこくりと頷く。こういうことになるなら初めから服なんて着させなければよかったな、グランは一瞬そう思ったが、円堂の他人に見せない一面を見れるのならばそれでもかまわなかった。 円堂は初めてだと頷いたが、恐らくそれは嘘だろう。身を交えることで一時的にものを忘れられる、馬鹿になれるのだと単純に円堂が知るはずがないと、グランが気付かぬわけはなかった。 相手が誰であったかは知らないし、興味もない。今円堂が求めているのが自分なのであるという優越感を、グランは確かに感じていた。下半身に男根を捻じ込まれて女のようによがる円堂など、誰が想像しようものか。今までその至福を噛み締めていたであろう誰かに、グランはざまあみろと呟いた。 「忘れられれば、いいんだよね」 どうにも着脱のし難い衣服を慣れた手付きで脱がせながら、グランは問う。もう我慢しなくてもいいんだよね。 もとより時制のきかぬたちではないグランだが、ここまでくればもう理性も何もない、ただの獣であった。まだ出会ったばかりであるにも関わらずここまで恋い焦がれたのは初めてだった。愛に性別って関係ないんだね。誰かにそう言うと、ひどくおかしな顔をされたことすら、グランは忘れ去っていた。 前戯もそこそこに、円堂を四つん這いにさせたグランは、硬くなった自分の性器を円堂の尻穴へと押し付けた。 「入れるよ、円堂くん」 「うん、きて、早くいれて」 快楽に顔を歪めた円堂は、確かに、笑っていた。(ああ、君はもう壊れてしまったんだね。これでもう俺たちの仲間入りだね。)グランは円堂に微笑み返した。 ぐっと腰を押し進めると、円堂の口端から苦しそうな声が漏れる。それを聞いたグランは、時間をかけずに一度自身を完全にいれきった。 「う、ぐっ、あ…」 「はは、あんまり慣らしてないのに全部入っちゃったね」 円堂くんの嘘つき。言いながら腰を揺らし、強く尻を叩くと、円堂は悲鳴を上げながら顔を赤くした。ごめんなさい、許してと涙を零して。そこにはもうかつての円堂守はいなかった。きっともう円堂はただの雌豚にでも成り下がってしまったのだろう。それでもグランは円堂を愛しているのだが。 結合部からぐちぐちと耳障りな音が響き、その下品さにグランの興奮はさらに高まった。 「円堂くんは本当に卑しくていやらしくてはしたないね。でもそういうところも好きだよ」 「ひい、あひっ、ヒロ、トぉ、あう」 男を受け入れることに慣れている体は、すぐに痛みを忘れて悦楽だけを求めだす。だらしなく緩んだ顔でグランを求める円堂は、きっともうすでに、すべてを忘れてしまっているのだろう。 自ら腰を揺らして浅ましく、これでもかというほどに快楽を拾い、ぐずぐずに蕩けた結合部はその相手に快楽を与える。グランは求めるがまま、求められるがままに欲望をぶつけた。円堂の口からは最早言葉という言葉は出ず、押し出されるように、高く小さな声を上げている。 グランはもはや円堂にかつての愛は抱いていない。地に堕ちた太陽は音も立てずに世界から消えるのだ、すこしだけ、周囲を燃やして。グランが円堂に抱いているのは、歪んだ性愛と、枯渇しない欲望。 肌と肌が強くぶつかり合う音が部屋にこだまする。グランも円堂も、我を忘れて互いを求めあっている。いや、円堂はグランの体の一部だけを求めているのだが。しかしグランはそれでも円堂と繋がっているという事実だけで興奮したし、円堂が自分を求めていなくても絶頂に至ることができた。 「んっ、円堂くん、中に出すよ!」 「ひぎっ、あっ、出して、おれ、俺の中で、いって、ヒロトぉ!あああっ!」 グランが円堂の弱い個所に先端を押し当てながら達すると、それに合わせて円堂も声を上げながら自身から精液を噴出した。 息を荒げながらぬるりと陰茎を引き抜いたグランは、倒れこんだ円堂を後ろから抱きしめた。 「ね、円堂くん、明日から復讐しようか」 円堂は、なにも答えない。ただ、その瞳は暗く、暗く、己の欲望だけに囚われ淀んでいて。グランはふと幸せを感じ、にこりと笑った。 「ああ、円堂くんの幸せってこんなものだったんだね。これでハッピーエンドだね、よかったね、」 よかったね。 (めでたしめでたし!) 終わりました!個人的には結構納得のいく出来なのですがいかがでしょうか(笑) こっくり様は何度かメッセージ送ってくださって、すごく励みになりました、嬉しかったです。とはいえいらしてくださるのがあまり高頻度ではないのでこちらの作品もいつ読んでいただけるかはわかりませんが、とりあえずがんばりましたというご報告を! 結局攻めをグランさんにしちゃったんですけれども、大丈夫でしたでしょうか^o^; あと闇堕ち…闇堕ちっていうかなんか淫乱オチですね!最強(最凶)円堂さんとか書いたことなくてがんばろうと思ったんですけれども、要素を入れることすらできませんでした(笑) それではこっくり様、リクエストありがとうございました!もう片方もがんばりますね!失礼します! |