愛だよ10-5 | ナノ
こっから産卵の流れ
あと小スカの流れ引っ張ってます(笑)




数度緩く触手が腸内で蠢く。
「んああぁあ!あっ…あ゙っ…!」
精液を伴わない絶頂は収まることなく何度も連続して訪れた。無意識に腰が高く浮いてしまい、快楽に染まりきった意識はまだ足りないと快感を求め続ける。
ずるずると太い触手が尻穴から抜け落ちた。腸が引きずり出されるかのような感覚に、俺は再び激しい絶頂に襲われる。ぽっかりと穴が開いたようになった後ろから、ぼたぼたとまるで精液のように白濁した触手の体液が少量溢れ出したが、まだ腸内には違和感が残るほどに多量の体液が残されていた。

太い触手の代わりに尻に宛がわれた触手は、俺の胸や脇腹を吸っていたものに似たイソギンチャクのようなものだった。円筒形の先端に、多数の細い触手がうぞうぞと蠢いている。細い触手はさらに枝分かれして数ミリほどの太さを持った極細の触手が群生していた。
先端が丸まっていないためにぐっと押されてもなかなか入りづらいようで、俺は深呼吸をして全身の力を抜いた。早くこの触手の全てを受け入れたい。その手助けだ。頭のどこか遠い部分では自分がおかしくなっていることは理解していたが、それでも思考の大半はこの触手によりもたらされる悦楽だけに陶酔していた。
「んぐううっ!はいっ、て、き…、あひっ!ううぅうっ!」

小水に濡れた髪が床を擦る。ずにゅりと幾多もの触手を纏った太いものがゆっくりと入ってくる。耐えようと眉根を寄せる。何かに縋りたくても、固定された腕は動かすことができない。反射的に股を閉じてしまうと無理やりに開かされ、一切の自由は許されなかった。

腹の中で細い触手が蠢く。そのくすぐられるような快感に言葉も出なくなる。魚のようにぱくぱくと大きく口を開けて呼吸をするが、酸欠で頭がくらくらした。汗や鼻水で濡れた歪ませた顔を動かすと、床に水たまりのようになった自分の尿が僅かに口に入ってしまい、ひどい苦みが口内に広がった。
「ごほっ、おえっ…、ぐ…!」
咳きこんでいると、触手が強く腸の深いところまで入り込んでくる。内側の、今まで触れられたこともないようなところまで深く、深く。強い吐き気と眩暈に見舞われるがどうにかそれを飲み込み、俺は顔を部屋の隅にあるカメラへと向けた。
(風丸、かぜまる、助、け、…)
もうしばらく風丸の声は聞いていない。もう俺のことなんてどうでもよくなって、どこかへ行ってしまったのだろうか。快楽によるものとは違う涙が新しく頬を伝う。ずずっと鼻を啜り、俺は必死に風丸のことだけを考えた。

「いぎっ…ひいぃっ!?」
突然の思わぬ感覚に絶叫する。何かが触手を通って腹の中に入ってくる。どこか冷たくて、弾力を持ちながらも柔らかい何かが。ごぼごぼと次々に腹の中に吐きだされるものの感覚に全身ががくがくと震え総毛立った。
蕩けていた思考も一瞬にして冷め、崩壊していた理性も徐々に形を取り戻しつつあった。触手に固定されたままの腕を動かし抵抗をしたがびくともしない。嫌だ、嫌だ。今日は一体何だっていうんだ。
ただでさえ中にはすでに化け物の体液が入っていて、その上さらに出されたそのあまりの量に、俺の腹はぽっこりと膨らんでしまっている。苦しさに息が浅くなり、今にも戻してしまいそうなほどの吐き気がした。

腹の皮が張ってしまって仕方がない。これ以上は無理だというほどに腹の中に何かを出されて泣き叫んでいると、ようやく後ろから触手が抜け落ちる。その拍子にびちゃびちゃと音を立てながら腹の中に出された何かが尻穴から飛び出した。
「ひっ……」
それを見た瞬間に喉が引き攣った。頭がぐらぐらとして目の前が白く点滅する。
形容するなら、蛙の卵。
白く濁った透明な薄い袋のような膜の中に、膜と同じように透明なつぶつぶとした小さな卵が数十、いや数百と連なっている。そしてさらにその中に、僅かに脈打つように蠢く核のようなもの。
こんなものが、俺の腹の中いっぱいに。
「や…だ……いや、だ、…あ…ぁ…」
歯の奥がガチガチと鳴り言葉が喉でつかえてしまう。絞り出した声も震えていて情けなかった。先程まで硬くなっていた俺のものもすっかり萎えて縮こまってしまっている。
ふと手の拘束がゆるんでいることに気付いた俺は手首に纏わりついていた触手を振りほどいた。宙をうねっていた触手も含めた全ての触手がばたばたと地面へと落下する。触手は俺を追ってくる様子もなく、少しの間だけ地面を這うように動いて、ぴたりと静止した。ばくばくと鳴る心臓を落ちつけようと、俺は動かずに触手の動向を目で追った。しかしやはり、目の前の異形は一切の動きを止め静まり返っていた。