4風丸視点 円堂の腰を高く持ち上げるが、俺より体重があるからかかなりの負担が腕にかかる。俺は円堂の足首を掴むと、片脚を肩にかけた。 円堂は目を瞑って必死に何かに耐えようとしている。その表情にそそられた。最初くらい優しくしてやろうじゃないか。肩にかけていない方の足をぐっと開かせ、円堂のアナルにペニスを突き立てた。 「う…あ゛……あああ…」 亀頭、カリ、竿と徐々に沈み込めると、円堂の口から苦しそうな声が漏れる。円堂の中は温かく、ローションでぬるぬるとしたそこに包まれ気持ちが良い。腰をぐっと押しつけると、円堂がびくりと震えた。最早言葉も出ないようだ。 ペニスを全て入れ終え、円堂の腰を抱え直す。体制が変わって刺激されたためか、円堂の腹筋に力が入りぎゅうと締め付けられた。 「ん……」 思わず声が漏れてしまうほど気持ちがいい。ペニスをぬるりと引き抜いて、また押し入れる。すると円堂の口からああ、ううとだらしのない声が零れ落ちた。 「なんだ円堂、まさか初めてなのに気持ちいいのか?」 驚いた。痛がるだけだろうと思っていたのに。嘲笑し責めるように言うと、円堂は首を横に振り、涙を零した。 「ちが、ちがう、気持ちよくなん…ぅ、て……あっ、」 円堂が喋っている間にも腰を動かし続けると、言葉の節々に喘ぎが混ざった。 笑いが止まらない。 円堂が。あの円堂が、俺に股を開いて泣いている。 その事実すらも俺の快感を増幅させる。 「円堂、円堂、えん、どう」 名前を呼ぶとひどく安心した。円堂の喘ぎがまるで俺に応えてくれているように感じられた。 「うう、は、あっぁ…い…」 ごりごりと前立腺を擦るように腰を動かすと、円堂は高い声を漏らす。円堂がよがってる。性すらも知らなさそうな円堂が。 「は、かわいい」 呻くように呟いてから俺は拳を振り上げた。円堂のこめかみの辺りに硬く握った拳をぶち当てる。 「うっ……!?」 がつんと鈍い音がして、円堂が驚いたような顔をしてこちらを見上げた。状況を全く理解できていないらしい。 俺はもう一度拳を振り上げる。それを見た円堂は咄嗟に目を瞑って、腕で顔をかばうように覆い隠した。それでもかまわず、腕を振り下ろす。完全に無防備になっていた腹に拳を落とすと、円堂はごほごほと咳をしながらえずいた。 先の攻撃で力の緩んだ腕を払いのけ、もう一度、こめかみに。そして頬に。顎に。簡単に骨を折られても困るから、鼻は狙わなかった。 「がっ…あ…!うぐ、…いっ…」 殴るたびに円堂の体に力が入り、円堂に入れたままのペニスが搾り取られる。円堂は必死に腕を伸ばし、俺の手を止めさせようしている。 つぅ、と円堂の口端や鼻から血が垂れてくる。歯に当たり口内が切れたらしい。鼻は、いつの間にか拳を当ててしまっただろうか。円堂はがたがたと震え、顔を歪めていた。 腰を動かしながら、殴り続ける。ぐちゅぐちゅと響く卑猥な音も、円堂のうめき声も、その顔も、手に伝わる感覚も、すべてが快感に繋がる。円堂と繋がるというのは、こんなにも気持ちの良いことだったのか。自慰とも違う。女とも違う。 「えん、ど……」 円堂、だから、気持ちがいい。 自身の限界を感じ、腰の動きを速めた。もちろん、手を止めることもなかった。顔だけでなく腹や腕も殴る。 「いぎっ、あ゛、あううう……」 鼻血や鼻水、血の混じった涎を垂らしながら涙を流す円堂を見て、さらにペニスが膨張するのを感じた。下腹部を見ると、円堂のペニスは萎えていない。こんなことをしているのに。 「円堂は、マゾなんだな…」 はぁはぁと息を荒げながらかわいい、と呟いてみたが、円堂には聞こえていないようだった。 円堂は、無理やり犯されて、殴られて、興奮する変態なんだ。 俺は殴る手を止めて、円堂の喉元に腕を伸ばした。円堂の首を両腕で捕まえると、ギリギリと握りしめる。 「あ゛…あ…ぐ……」 円堂の苦しんだ顔が好きだ。円堂が痛がる顔が好きだ。円堂の泣く顔が好きだ。だから、暴力を振るうことを、いじめる手を、止められなかった。 喉を圧迫しつづけると、震える手が俺の腕を掴んだ。もうほとんど力はこもっていない。ただでさえボロボロで痛んでいるようだった身体をさらに痛めつけたのだ、当然だろう。ひどく気分がよかった。 円堂の顔が赤を通り越し赤紫になりつつあるのを見計らい、首から手を離した。円堂は身体を折り曲げながら咳をしつづける。咳をするたびに中が締まる。 「はぁ、たまらないな…」 殴る手を止めて腰を動かすことに専念すると、眼前の身体が大きくのけぞった。 「んあ、あっ、うああ、はぁ、あ」 円堂も限界が近いようだ。俺は肩にかけていた脚を下ろすと、日に焼けた首筋に噛みついた。円堂の身体がびくびくと震える。 強く歯を立てると、口内に円堂の血の味が広がった。肩口から口を離し流れ出る血をべろりと舐めると、円堂の身体に広がる痣を指や手の平で強く押す。 「ああ、あ、ひ、あっ、ああ!」 ひいひいと声を上げる円堂の顔に付着する血液や涙を舐め上げながらペニスを扱いてやると、ひときわ大きな声を上げて円堂が達した。ぎゅうぎゅうとペニスを締め付けられ、自分も円堂の中で果てる。 「ん…はぁ、円堂、かわいい…」 荒く息をついて痙攣している円堂の顔を見ると、円堂は完全に失神しているようだった。円堂の愛用しているバンダナには血が染み込んでいて、征服感に包まれる。 「あぁ、そういえば…」 円堂の中から性器を引き抜きながらふと思い出す。 「まだ、キスしてなかったなぁ」 小さく呟くと血や涙でぐちゃぐちゃになった顔に近付き、円堂の切れた唇に自分のそれを押しつける。 円堂とのキスはレモンの味でも甘い砂糖のような味でもなく、鉄の味がした。 |