※みしゅとれ注意

「ミストレ、いないいない・・・ばあ!」
「ふっ、ふええ・・・、えしゅかばあ・・・」
泣きじゃくるミストレをどうにか笑わせようと様々なことを繰り返してみる。
何があったのかは知らない。王牙学園から帰ってきたら兄貴の姿はなく、こうしてすすり泣くミストレの姿しかなかったのだ。
兄貴の代わりにローテーブルに置手紙があり、その手紙には
「冷蔵庫にドーナツとジュースがあるよ お兄ちゃん」
としか書いておらず、これはミストレに宛てたものだと瞬時に理解した。
確かに冷蔵庫にはドーナツが入っていたはず。
ミストレの大好きなイチゴ味のチョコレートでコーティングされたドーナツ。
そしてジュースはイチゴ牛乳。
笑顔になる要素しかないこのおやつの組み合わせ。何故ミストレは泣いていたのだろう?
「ミストレ?どうしたんだ泣き止んでくれよ」
そういって抱き上げるとミストレはひくひくと嗚咽を漏らしながらも泣くのをやめた。
いい子だ、と頭を撫でると俺にしっかりとしがみ付き離れなくなってしまったミストレを軽く、壊れ物を扱うように抱きしめる。
今のミストレは触れれば壊れそうなほど繊細な生き物に見えた。
「・・・えしゅかば・・・」
「ん?どうした?落ち着いたか?」
「さみしかったよぉ・・・」
語尾に近づくにつれ小さくなっていくその声にミストレが泣いていた理由を把握する。
そうか、お留守番が寂しかったんだな。
いつも俺が王牙学園に行っているときは兄貴が家にいるのに今日はそうじゃない。
4歳にして始めての留守番とやらを経験したミストレはまた一つ大人になっただろう。
・・・次はおつかいかな、とうぶん無理だろうけど。

:)

久々みしゅとれネタでした!
次ははじめてのおつかいネタが書きたいです。尾行する兄達。
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