※今回ミストレが嘔吐します 前回の続きです

「ミストレはまだか」
「おっそいなあいつ・・・遅刻なんて滅多にしねえのに」
始業の鐘が鳴りかなり経っただろう。
いつもなら席に着き鏡を見つめているミストレの姿が一向に見えない。
「エスカバ、寮は近いだろう何か知らないのか?」
「あいつ寝起き悪いからよお・・・しょうがねえ、見てくる」
もう時間はないが、何かあったら困るから一応見に行ってやる。
寮へは片道5分程で着く。ミストレの寮のドアをノックしても反応はない。
中からがたがたと物音はするから、居るんだろうけど。
「おいミストレ!何してんだよ遅刻するぞ」
大声で呼びかけても中からは物音しかせず、声は聞き取れない。
ミストレは勝手に部屋に入られるのを嫌がるが何かあったとしか思えない。・・・入っても咎められることはないだろう。
「入るぞ!」
部屋のパスワードを入力すると鋼鉄のドアはシュウと音を立てて開いた。
そこはいつもとはまるで雰囲気が違った。
物は倒れ鏡は割れて。故意に壊された雰囲気ではないのでミストレを探す。
「・・・ミストレ?」
洗面所の近くで蠢く何かを見つけ声をかけてみる。
「・・・うぐ、」
「っ、おい!」
蠢く何かはやはりミストレだったようで、なにやら苦しそうに口元を押さえている。
元々白い顔は更に白く、青ざめている。
「ミストレ?どうした、気分が悪いのか?」
そっと額に触れると尋常じゃない程に熱い。
「うっ、あ・・・うぐっ」
「吐きそうなのか?おい、ミストレ」
小刻みに震える肩を支えようと触れるとミストレはやめろと大声で叫んだ。
「触らないで、うう・・・え」
「吐きそうなんだろ、吐けよ!・・・ほら、俺の手に吐いていいから」
そう言うとミストレは俺をぎろりを睨み、「冗談じゃない」と途切れ途切れに呟いた。
「プライドとか関係ないだろ、早く吐け!」
きつく言いミストレの口の中へ指を突っ込む。
「うっ、あ、あがっ・・・うえ、ぐ」
大きなアメジスト色の瞳に涙が溜まり、頬を伝って落ちた。
「ん、んんっ、やめ、がっ・・・」
ミストレの瞳が更に大きく開かれ、そして、苦しそうに、歪んだ。
「うっ、うええええええええええっ、」
俺の手を突っ込んだ口からミストレの吐瀉物が勢いよく出てくる。
他人の吐瀉物程汚いものはないが、何故かミストレのそれはそう思えなかった。
「・・・ふっ、ふっ・・・」
荒い呼吸を繰り返すミストレに「大丈夫か?」と声をかける。
青かった顔に赤みがさし、徐々に落ち着いていっているようだ。
「っ・・・最低っ・・・き、汚いのに・・・」
ミストレの瞳にまた大粒の雫が浮かび上がる。苦しみからではなく、醜態を晒してしまった羞恥からくるものだろう。
「・・・汚くねえよ、お前のだろう」
「・・・ばーか・・・」
すっかり調子が良くなったミストレは口を濯ぎに洗面所へ立ち上がった。
とりあえず俺も手を洗って汚れた床を掃除しなければ、とミストレが消えていった洗面所へ足を運んだ。

:)

スライディング土下座しますすみません。
もう色んな意味ですみません。
嘔吐ネタずっと書きたかったのですがうまく表現できなくてすみません。
とりあえずミストレの吐瀉物は綺麗です。汚くないです。
次は夜桜ちゃんを吐かせたいです。
もう一度いいます、すみませんでした。

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