ミストレ死ネタ注意

「ミストレ」
愛しい恋人の名を小さく呼ぶと彼はその声よりも小さく笑った。
へましちゃった。ミストレは血に塗れた手で俺の頬を撫でる。
ミストレが頬を撫でる度にべちゃ、べちゃ、と耳を塞ぎたくなるような音が響いた。
「・・・ねえ、俺、死んじゃうのかな・・・」
目を開けられないのか瞼を閉じて大きく、一つ息を吐いた。
「死にたく、ないな・・・」
堅く閉じられた瞳から一筋の涙が流れた。流れた痕が血を洗い流すようだった。
「死なねえよ、・・・俺が、助ける」
俺はミストレの身体を抱きしめた。その身体はいつもより一回りも二回りも小さく感じた。
「死ぬまでは、死ぬ一秒前までは俺だけのエスカでいて・・・」
力なく笑ったミストレの身体からふっと何かが抜けたのはその言葉の後だった。
俺は今でもお前をこんなにも愛しているのに。

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