その夜の合コンで知り合った女とセックスをして、ホテルを出た。
(女は置いてきた)
ミストレと一緒に住んでいる家へ電車を乗り継ぎ帰る。
わざわざ遠くのホテルへ行くのはミストレにばれない為。
ミストレは公共の乗り物を利用するのが苦手だと言っていたのでこの辺りまで来ることは出来ないだろうという俺の勝手な憶測だが。
寝室を覗くとダブルベッドの端にミストレが丸まって眠っていた。
俺が眠るスペースを空けて眠るその姿を見て胸の奥がずきりと痛んだ。
「・・・おかえり」
ミストレが急に口を開いたのでびくりとする。
「ただい、ま」
ミストレがむくりと起き上がり「遅かったね」と今一番突っ込まれたくないことを呟いた。
セックスをする前に女と酒を飲んだので酒臭いだろう。(風呂には入ったが)
「同僚と飲んできた」
「へえ、そうなんだ・・・もう寝る?」
返事の代わりに布団に潜り込む。
「おやすみ、ミストレ」
「・・・ん」
おやすみのキスをしようとするとやんわりと拒まれた。
「・・・なんだよ」
「ごめん・・・気分悪いから、ちょっと無理」
ミストレのこの言葉にもっと危機感を覚えていれば、あんなことになっていなかったのかな、とか。

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