「なあ今日合コン行こうぜ」
会社の帰り、同僚のバダップを合コンに誘ってみた。
すると奴は「君には彼女がいると聞いたが」と眉を顰めた。
「居るけど、色んな奴と遊んでおきたいじゃん」
「・・・そうか」
確かに俺には付き合い始めて2年目のミストレという彼女がいる。
容姿端麗で少々口が悪いがすごくいい奴だ、と思う。
将来を約束しており、給料3か月分とはいかないがそこそこの指輪も渡している。
いわゆるペアリング。
「君はいつか痛い目を見る」
「へえ、そうかい」
一人の女に縛られる前に色んなタイプの女と遊んでおきたいというのが本音。
ミストレのことはもちろん愛している。
「彼女がどんな気持ちなのかよく考えるべきだ」
バダップはそれだけ言って立ち去ろうとした。
「おい、合コンはどうするんだよ」
バダップは少々考える素振りを見せ、こう言った。
「・・・遠慮しておく、俺には大切にしたい奴がいるからな」


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テーマ「人外ファンタジー」
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