ミストレはプライドが高い。
それはもう、世界一高い山をも凌駕するレベルで。
自分からキスをしろ、と言われたことは勿論、好きだなんて言われたことは一度もない。
だから、今日は少しだけ意地悪をしてみることにした。

ミストレが俺の部屋に来ることは少ない。
それもプライドが邪魔をしているのだろうが、大体は俺がミストレの部屋を訪れることが多かった。
睫毛なげえな、だとか色白いな、といったことを考えながらじっとミストレの顔を見つめていると、
「何見てんの?気持ち悪いんだけど」
と怪訝そうな顔をされた。
そう言いつつ俺からのキスを待っているのだろう、どこか落ち着かない様子のミストレは目を泳がせている。
「・・・ミストレ」
「なに」
自身を呼ぶ声に少し嬉しそうな顔をしたミストレの頬に手を添える。
白い頬に少しだけ赤みがさす。期待していると、自惚れてもいいのだろうか。
だけど今日の目的はそれじゃない。
恥ずかしそうに俯くミストレの耳許で囁いた。
「・・・埃ついてる」
静かに身体を離すと、きょとんとしたミストレの顔。やっぱり、期待してたんだろ。
してほしいなら、言えばいいのに。
ここでしてしまうと甘やかすことになるんだろうけれど、今日だけ甘やかすことにする。
「・・・おいで」

:)

久々の更新がこんなのですみません

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