※みしゅとれ注意

「・・・つかれたよお」
「何を言っている、目的地まではあと600メートルだ。頑張れ」
あからさまに不機嫌になったミストレの手を引く。
今週はエスカバが部の合宿でいないため、俺が彼の弟の世話を買って出た。
エスカバには兄がいるが、家に帰ってくるのは週に3日もないらしい。
「本当役に立たない兄貴だぜ」
エスカバがそう言って眉を顰めたのをよく覚えている。
「ねえばだっぷ、きゅうけいしよ?」
完全に足が止まってしまったミストレが上目遣いで俺を見やる。

エスカバはミストレに甘い。
深夜に彼の家に立ち寄った際にエスカバはミストレを抱き上げたまま玄関までやってきた。
彼は「便所に連れて行くところだったんだ」と眠たそうに目を擦るミストレの頭をゆるく撫でていた。
甘やかしすぎるのもどうかと思うが、個々の家庭の方針だろうからとやかく言うともりはない。
しかしあくまで今は俺が保護している者という立場にある。
エスカバならそこにある公園で休憩してやるかもしれないが俺は違う。

「・・・あそこにある自動販売機まで休憩は無しだ」
「やだよお・・・ばだっぷおんぶして」
俺に向けて腕を伸ばしてきたミストレの手をまた握り直す。
不服そうなミストレはその手をゆっくりと振り払う。
「ねえおんぶ・・・」
「・・・確かミストレは苺牛乳が好きだったな。あそこまで一人で歩けたら買ってやろう」
するとミストレは俺の手を握りなおし「はやくいこう」と急かしてきた。
甘やかすことだけが愛情ではない、とエスカバに言っておこうか。

:)

愉紗様リクエストのバダみしゅです!
元ネタはフォロワーさんとの会話です(`・ω・´)
バダップの動かし方を未だに把握していないのでおかしい部分もありますが・・・
お持ち帰りは愉紗様のみでお願いします!
リクエストありがとうございました!

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