「なあ、俺はいつになったら外に出られるんだろうな」
ミストレが真っ白い部屋の中で呟いた。
部屋の中にあるものといえばミストレが今現在寝ているベッドに、テーブルに、椅子。
「・・・さあな」
殺風景な部屋の中に俺たちの呼吸の音だけが響く。
顔色の悪いミストレに水を差し出すが、起き上がれないミストレはそれを飲むことが出来なかった。
「もう、死ぬのかな」
「・・・ばか、死なせやしねえよ」
ミストレはそっか、と笑ってまた眠りについた。
随分と痩せてしまったミストレの腕を掴むと急に切なくなってくる。
いつかこいつはそのまま起き上がらなくなるのかと考えると目の奥が熱くなった。




110226 エスカバとミストレ


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