戦い…?    [ 31/64 ]

所変わってどこかの演習場。

四番隊と十一番隊の隊員、それと、騒ぎを聞きつけた野次馬共でちょっとした催し物みたいになっていた。
しかも野次馬ん中にはなんか見過ごせない気配もちらほらあるし・・・


ったく。
どこから情報仕入れて来たんだよ。
後で説教だな。




まぁそんなことより、

頑張れとかぶっ潰せとか顔だけは狙うなとか、暑苦しいまでに野太い野次が飛ぶ中――










「めんどくさ…」






――俺のやる気指数はどん底だった。
もうそれはこれ以上落ちようがないくらいに。

ただでさえ戦うのが面倒臭いっていうのに、見せ物にされてるなんて本気で面倒。
(俺は珍獣か?ふざけんなよコラ)


なんかやる気出ることないかな〜…。
このままだと、あまりの面倒臭さに手加減を忘れて殺っちまいそうだ。
(それはそれで面倒なんだよなぁ…後始末とかが)



なんかやる気のでそうなこと…やる気のでそうな……







「あ。じゃあ俺が勝ったら、十一番隊はしばらくの間、四番隊の雑用係ってことで」



やる気も出るし、
楽出来るし、
こき使える下僕も出来るし、
日々十一番隊の奴らに絡まれる四番隊の皆の気持ちも晴れるだろうから、

まさに一石三鳥四鳥ってわけだ。
うん。俺って天才。


俺の頭は早くも十一番隊下僕計画の具体的な内容を考えていた。
どうせ実現することだし。



「別にいいだろ?」

「いいぜ。お前が負けたらどうするんだ?」


それは、負けるなんて微塵とも思っていない自信満々の笑みだった。


……あぁ、なんかちょっとやる気出たかも。
(むしろ殺る気か。駄目じゃん俺)



「はっ、それは考えるだけ無駄だろ。まぁ万が一負けたとしたら、お好きにどーぞ。何でもしてやるよ」

「…忘れんじゃねぇぞ。その言葉」

「お前こそ忘れんなよ?」

「上等だっ!」



開始の合図なんてなかった。
いや、更木が動いた時点で開始ってことなんだろう。
そういうところは分かり易くていい。

突っ込んできた更木を後ろに飛んでかわし、さらに駆けてきたところに足払いの容量で素早く蹴りを入れる。
さすがにそれは避けられた。
まぁ隊長なんだからそれくらいは避けて貰わないと。




さてと、剣で戦うか…素手で戦うか…




「う〜ん…」

「戦ってる最中に考え事とは余裕だなっ!!」

「うん。まぁそりゃあねぇ」


ていうかむしろ、気を集中しちまうと手加減忘れそうになるし。
それはマズいんだよ。



ていうか、




「お前こそ眼帯付けたままで余裕だな」



この俺相手に。
眼帯の本当の意義を知っているこの俺相手に。



「はっ。外させてみろよ!」


馬鹿にするように、試すように、楽しそうにそう言いやがった。

俺さ、前にも言ったけど、
見下すのは好きだけど、見下されるのは大嫌いなんだよね。




「後で後悔するぞ」

「させてみろ!」



忠告は一応してやった。

とりあえず、斬り掛かってきた更木の剣を手で受けとめて流してみた。
みた目通り馬鹿力。


……ちょっと手痛いかも。

出来ないこともないけど、わざわざこんな奴のために痛い思いするの嫌だし、元々俺肉弾戦より霊力とか使って戦うほうが性に合うんだよなぁ。

それに、

肉弾戦って動き回らなきゃいけないから、疲れるし面倒じゃん。


あ、でも剣は手加減が難しいんだよな・・・。
うっかり殺しちまいそうだし。
. . . . . . . . . . . . . . . .
最初の一発で勝っちまうのはダメだ。. . . . . . . . . . . . . . . .



しゃがんだ勢いを利用して後ろ飛びの容量で顎に蹴りをぶち込むついでに、体を回転させて回し蹴りを繰り出す。




両者向き合う。






「よっし!決〜めた」

「なにを――」









「赤火砲」









辺りを閃光が包んだ。




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