「うお〜殺気ギンギンじゃねぇか。更木とかいう奴」
四番隊に近づくほど、殺気の濃度が上がっていってる。
すでに花太の限界指数は越えてしまったので、少し手前から手を繋いで俺の霊力を分けながら四番隊へと向かっている。
手を繋いだ時の安心したようなあの笑顔っ。
おかげで三日分は癒された気がする。
それだけは更木に感謝だ。
「こんだけよく殺意が抱けるわ」
「あの人は戦闘狂ですからね…」
「戦闘狂ね」
戦闘大好き人間ね…
面倒臭いことこの上ない人種だな。
そこまでして戦いたい意味が分からない。
多分、一生理解出来ない相手だろう。
「つ、着いちゃいました…」
そんなこんな話しているうちに、(花太が先導してくれたから迷うことなく)四番隊に辿り着けた。
「おぉ!無事に辿り着けたな!さすが花太!」
「それが普通なんですけどね…」
「俺にとっては普通じゃない!」
「何でなんでしょうね〜?」
「ね〜」
首を傾げる花太に調子を合せて首を傾げる。
あぁやばい。
今ものすごく、花太とのんびりお茶をしながらまったりしたい気分に駆られてきた。
帰りたいな〜。
あ、でも帰る場所はここか〜。
白坊のとこかとーしろーのとこにでもお邪魔さして貰おっかな〜。
とーしろーのとこがいいかな〜?
癒しの夢の共演?
うわそれ絶対最高!
「更紗さん…?」
「ん?何?」
「まさか帰るなんて言いません…よね?」
不安そうな顔で聞いてくる花太。
あぁそうだった。
花太に頼まれてここまで来たんだったよな…。
四番隊…
花太とお茶…
十一番隊…
花太の頼み…
れっちゃんが花太を俺に寄こした意味…
ええいっ花太のためだ!
ここは頑張れ俺!
さっさと終わらせて花太とお茶するんだ!
「そんなことこれっぽっちも思ってないよ〜?さて、さっさと終わらせようか!」
「はい!」
れっちゃんに踊らされている気もしないでもないが、ここは踊らされてやるか。
全ては花太の、俺の癒しのため!
「藤城更紗。ただいまもどりました〜」
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