昔話    [ 19/64 ]

『…結局兄上は最後まで何処の隊か言ってくれなかった』

『だって言ったら面白くないじゃん。まあ、これも霊圧探知の訓練だと思え』

『じゃあ見つけれたら――』

『ダメ。見つけれて当たり前だっつーの』

『・・・』

『無言で睨むなよ。……しゃあねぇなぁ。こっちに来て、隊長にでもなれたら考えてやるよ』

『本当だな!?その言葉忘れるなよ!』

『おいおい誰に向かって言ってんだよ、白坊?』

『…毎回屋敷で迷っているくせに』

『あれは俺を迷わせるこの屋敷が悪い』

『……はぁ』

『おい、何だよそのため息は。さっきの話取り消すぞ』

『それは困る!』

『…何でそこまで嫌がるのかねぇ。わかったわかった。じゃあ条件もう一個つけるってことで』

『何だ?』

『それは―――…









第参話 噂のあの子と懐かしき友
(懐かしき友の成長には鉄槌をくだすべし)




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