只今充電中    [ 12/64 ]

「おっおい!?」


少年が慌てた声をあげたが我関せず。
今の俺にそんな余裕はない。
ひたすら癒しパワーで充電するのに専念した。

かわいい。
かわいすぎるっ。

この小ささが無条件で癒しを提供している…!!
はぁ…こんな子に会えるんだったらもっと早くから積極的に外に出てみるんだった!!



なんて、感動と後悔を器用に心の中に同居させていたら、誰かが近くの扉を開けて入って来る気配がした。




「?」


気にすることじゃないし抱き付いたままで視線だけを扉に向ける。
少年も抵抗を諦めたのか、おとなしく俺に抱き付かれたままの状態で扉を見つめた。






「隊長〜?何かあったんで



・・・





もしかしてお邪魔でした?」

「・・・」



扉からハイテンションに登場したのは明るめの茶髪のお姉さん。
とりあえず挨拶してみました。




「お邪魔してま〜す」

「いえいえ〜。じゃあ私、お邪魔みたいですし、退散してますね?」

「別にいいって」

「松本……





 お前楽しんでんだろ」

「あっバレました?」



なかなかノリのいいお姉さんだ。

少年の遊び方よくわかってるなぁ〜。
少し羨ましい。
くそっこんな可愛い子で毎日遊べるなんてっ。

毎日通おうかな〜

それにしてもいいなぁこのお姉さん。
こんな可愛い子が隊長だなんて。




ん?隊長?






ありゃ、ほんとだ。



お姉さんの言葉に少年をよく見てみれば、少年は白い羽織を着ていた。





「へ〜。少年、隊長だったのか」



どうりでちょっと霊圧が高いと思った。
てことはこのお姉さんは副隊長って所だな。

なるほど。と納得していたら、少年の額に青筋が走った。





「テメェー…ふざけてんのか」

「別にふざけてないけど?」

「そんなことよりいい加減離しやがれ!」

「えぇ〜」



もうちょっと癒されていたかったけれど、少年に離せと言われてしまってはしょうがないので、渋々絡ませていた手を解いてあげた。
腕が寂しい。

ちなみにお姉さんは楽しそうに俺らのやりとりを見ていた。











「で、隊長。こんな美人どうしたんですかぁ?」



とりあえず落ち着きましょうというお姉さんの提案で、お茶(俺が入れた)をすすりながら、まったりと落ち着くことになった。

まあ、まったりしているのは俺とお姉さんだけで――




「知るか。コイツに聞け」



少年は今だに不機嫌続行中なんだけれども。
それも可愛いんだけどね。



「そんなに怒んないでよ〜」

「いっ、いいからとっとと説明しろっ!!」




ちぇっ。

少年にまた抱きつこうとしたら思いっきり避けられてしまった。
なんとなく予想はしてたけど、少し拗ねた。


この短時間で分析した結果、この少年は花太とは違って簡単に抱きつかせてはくれないっていうことはわかった。
性格も花太と反対っぽいし。



だけど、この少年が第二の癒しなんだよな〜。


ということで、説明するのはものすっっっごくめんどくさいんだけど、少年に怒られるのは嫌だから説明しなきゃな。
俺の日々の癒やしの為だっ。



でも、やっぱめんどくさいなぁ〜。




あっ。
ていうか今気付いたけど、少年の名前知らねえや。







「なあ。少年名前は?」






突然ですけれども。




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