黒い羽    [ 76/159 ]

「何アレ?」

『さあ?』

「…流行ってるのかな?」

『そうなんじゃねぇの?』

「変わってるね…」


あっ…声に出してた。




大通りに入ると不思議な光景が目に飛び込んできた。
何故か行き交う人の半分が小さな黒い羽を付けてい歩いていた。



お祭りかなんかあるのかな…?それとも新手のファッション?


気になったので、ちょうど横を通り過ぎようとしていた黒い羽を付けている人に聞こうと声をかけた。




「すいません。それ流行ってるんで…



「ギャハハハ。死ねエクソシスト!」








……うそぉ」




ほんとウソだろ…?



俺が声をかけた人はなんという偶然か、アクマに変わってしまった。
とりあえず攻撃をかわして撃ち倒す。




…運悪いのかな?




なんて落ち込んでいたら後ろから砲撃されかけた。



「うわっ!?」


ガウン


砲弾を避けた状態で2体目を倒す。

びっくりした〜…



『気を付けろよ』

「わかってる…って増えたしっ!!」


予想はしていたけど、登場するのが早すぎだろ。
だから頭を整理する時間が欲しいとかなんとか思っていたら、団体さんがいらっしゃっていた。
出会ってしまったのは仕方がないので片っ端から倒していく。
その方法は撃ったり、紅燐で殴ったりといろいろだ。
前の任務で紅燐の練習をしていたおかげで効率よく、手早く片付けることができた。







「ちょっと君!」


やばっ…!!


次から次へと増えてくるアクマ達を打ち倒していたら、警察が出てきてしまったらしい。

そうだった…!
俺って傍から見たらただの殺人犯…――




「いやあの……っ!」



慌てて弁解しようとしたら、その警官もアクマに変わってしまった。

漫画ではアレン達の方の警官もアクマだったけど……ここの警察大丈夫なのかな?
もうここの治安大変なことになるんじゃ…





っていうか人間を被ったアクマと人間の区別がわからないのは、本当に辛いね。

……辛いよ。













「あれ…?うわっとっと」

『…油断すんなよ』



いやもうほんとイジメかと思えるくらいの数のアクマを相手にしていたらおかしなことに気が付いた。




(あのさ、俺の考え聞いてくれる?)

『なんだよ』



そう。ちょっと思いついたことがあるんだ。
なんでそうなっているかはわからないんだけど。








(アクマになっていくの羽が生えた人だけな気がするんだけど…)






・・・







『はぁっ?』


しばらくの間があってから黒燿は信じられねえとでも言うように聞き返してきた。
口で説明するよりも、実際に見た方が断然わかりやすいので、近くにいた集団を指差す。(指差しちゃいけないんだけどさ)





(ほら、羽が生えてた人がアクマになってて生えない人は逃げてるだろ?)


羽が生えている人を見つけたら数秒後にはアクマになってたっていう状況なのだ。

ここからわかることは1つ!








『「アクマがわかる」』






ということだ。


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