えっ?!えっ?!ええぇぇっ?!
俺がいきなりのことに愕然としている(そりゃちょっとはロードかもって思ってたけど)と、また通信の向こうが騒がしくなった。
《おいロード!いい加減それ返せ》
《えぇ〜》
また俺、かやの外…
『何でそんなに驚いてたんだよ』
(だって…だってロードと会うの、もっと違う形だとばっか思ってたから…!)
『・・・』
あっ何その呆れた感じっ!!
だってだって、ロードは一応敵(?)なわけで!!
巻き戻りの街の話終わっちゃったから会うのはだいぶ先だと普通思うだろ?!
ティキと会うのも予想外だったけど…!!
でもティキは全てにおいて予想外だし、もうどうでもいっかって感じだから今更気にしないんだけど……
《ボクは世羅ともっと話したいんだよぉ》
《今度会わしてやるから》
――えっ?ちょっとティキ何勝手に…
《え〜じゃあ今行こぉ〜》
えっ!?
思わず辺りを見回してしまった。
『何やってんだよ』
(いや…なんかすぐにでも来そうな気がしたから…)
ロードのあのファンシーなドア使えば一瞬で移動できちゃうし…
いやぶっちゃけ言うとロードには会ってみたいんだけど、今はちょっと困る。
ティキはそんな俺の心情をわかってくれたのか、ロードを止めてくれた。
《今はちょっとまずいからまた今度な》
《えぇ〜》
《今度の方が時間取れるだろ?》
《じゃあちゃんと連れてきつねぇ〜》
どうやら決着(?)がついたようで、今度ということに決まったらしい。
《じゃあねぇ〜世羅》
どうやらロードはティキに通信機を返してあげたらしい。
ロードの声が少し遠くに聞こえた。
「うん。バイバイ?」
聞こえているかわからないけど、いちよう挨拶を返した。
なんていうか…ロードって感じ。
全てが突然の出来事すぎてなんかもうあれが普通なんじゃないかと思えてきた。
電話(通信だけど似たようなもんだろう)なんて久しぶりな気がするから普通がよくわかんなくなってきてる。
おかしいような…おかしくないような…と首を捻って唸っていると、通信機を返してもらえたティキが喋った。
《ということで》
「ということで?」
《また今度な?》
「あっうん。わかった。また今……度…?」
そこで、ん?と首を捻った。
やっぱ何かおかしいことを見逃しているような…
あれ?
俺と会う約束だったよな?
俺、何も聞かれてないよな?
おぉ。やっとおかしいと思っていたことがわかった!と、納得顔で手をぽんと叩いてたら、不思議そうにティキが問うてきた。
《どうしたんだ?》
「いちおう言ってみるけど、俺の意見とかは聞かず?」
《ロードと会うの嫌なのか?》
疑問を疑問で返されてしまった。
えっ?これって聞いたら嫌ってことになるの?!
俺は慌てて首を横に振った。
「全然嫌じゃないよ!」
《ならいいじゃん》
?いいのかな?
なんだか丸め込まれている気もするんだけれど、確かにゆっくりとロードに会ってみたかったし…
別にいっか。
《おっと。お仲間さんが動きだしたみたいだな。じゃあな。また連絡する》
そういえば、ラビとアレンは雪だるま作って、その後街に出て、アクマと遭遇するんだったよな?
記憶と照らし合わせて今の状況を確認する。
「わかった。ばいばい」
そう言いながら蝶に向かって…――
『…何で通信機相手に手ぇ振ってんだよ』
(ついついやっちゃうんだよ!)
…黒燿につっこまれた通り、俺は通信機相手に手を振った。
もとの世界でも電話ん時、必ずやってしまうからこれはもう癖だ。
《あっ、今いる所危ないから気を付けろよ》
「へっ?」
切れるかと思った時に不意の一言。それが聞こえおわると同時に、ぶつっという電波が切れる独特の音がして、あたりは元の静寂に包まれた。
何で今いる所知ってるの…?
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