「噂のリップーサービスってやつか〜」
思ってたよりティキってサービス(?)いいよなぁ〜。
というか、ホストになれったらナンバー1取れると思う、絶対!
なんて、重大な用事じゃなかったことに安堵して、見当違いだとは知らず笑った。
《……………はぁ(またこのパターンかよ…。ほんと鈍いにもほどがあるだろ!)》
「?」
誉めたつもりだったのにティキは落ち込んでしまった。
前もこんなことあったような…
『はっ。体よくかわされてやんの』
(?)
さっきまで不機嫌だったのに、鼻で笑い少し機嫌が良くなった黒燿にも首を傾げる。
2人してどうしたんだ?
最近こう思うの増えたよな、なんて考えたけれど黒燿の機嫌が良くなったので気にしないことにした。
(よかった。黒燿の機嫌直って)
『お前もちゃんと笑えてるじゃねぇか』
黒燿に指摘されて、自分が悩んでいたのも忘れていたことに気付いた。
何より笑えていることが嬉しくて、より笑顔が深くなる。
そういえば……
ティキと話してたらなんか元気出てきたかも!!
ティキってお兄ちゃんみたいだしな〜
「えへへ」
《…何かわいく笑っちゃってんの》
「かわいいは置いといて、ティキもお兄ちゃんみたいだなぁって思ってさ」
ちなみに一人目はラビ!
《……俺的にはもっと別のがいいんだけどな》
「?」
『くっ…』
ティキが何か呟いた気がしたけど、黒燿の笑い声にかき消されて聞こえなかった。
(何?どうしたんだよ)
『いや。ただ眼帯といいコイツといい哀れだなと思ってな』
(また意味わかんないこと言って…)
っていうか2人名前で呼んだあげようよ…
なんてため息をついていたら通信の向こうが騒がしくなった。
誰かの声とティキの焦った声が聞こえる。
《ティッキー何やってんのぉ?》
《うわっちょっおいっ!》
「ティキ?」
声をかけてみたんだけど、どうやら聞こえなかったみたいだ。
気になるので耳に神経を集中させた。
音から判断すると、誰かが後ろから近づいてきて通信機を奪ったのかな?
もう一度呼び掛けてみる。
「ティ《ティッキーこいつ誰?めちゃくちゃかわいいじゃん》
《…まあ、いろいろあって、な》
――…また無視されたっ!!
『知ってるやつか?』
(知らないよ…声だけじゃ…)
ティキと知らない誰かに存在を無視されて打ち拉がれていたら(やさぐれていたので黒燿への返事も軽くなげやり)、
《ねぇ名前はぁ?》
名前を聞かれた。
無視されてたわけじゃないんだ?
慌てて飛ばしていた意識を戻した。
「へっ?あっ、世羅《へぇ〜世羅かぁ〜》
……うん。別にいいんだけど人の言葉は最後まで聞こうよ…
声の主は当然そんな俺の心情なんてお構いなしで、話を続けた。(というか爆弾を落とした)
《ボクはロード・キャメロット》
ロード…?
ロード…
・・・
…ってロード!!!!?
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