「俺、リナリー見てくるね。あっ!アレンの目が覚めたらすぐに教えて!!」
「了解〜」
手をひらひら振って世羅を送りながら、オレはアレンとかいうやつの病室の入り口にもたれかかった。
そのまま、アレンとかいうやつに視線を寄越す。
聞いていた通り真っ白な髪をしてた。
「コムイ〜そいつ大丈夫なんさ?」
「そうだね。他の怪我はもう大丈夫みたいだよ。さぁ、アレンが寝ている間に修理しちゃおっと♪」
そういいながら重装備を組み立てだすコムイ。
うわぁ〜、寄生型の修理なんて見たくないさ…。
なるべくコムイを視界に入れないようにしながら物思いに耽る。
(あの時、世羅が心配してたのこいつだよな?)
・・・
なんかムカツク…
そりゃあ、世羅は仲間をすごく大事にするっていうのはわかったんだけどさ、この短い間で。
だけど…ムカツクんだよなぁ(もちろん世羅に、じゃなくてアレンとかいうやつに)
まあそりゃ、おかげで世羅の秘密も知れたし、それはよかったんだけど…
一番厄介な恋敵の存在まで知っちまったさ…っ!!!
(絶対世羅のイノセンスの黒燿ってヤツは恋敵だよなぁ…はぁ)
アレン(もう呼び捨てでいっか)はどうなんだろ?
噂とか教団でいろいろ聞いたけど…やっぱこいつも…かな?
「大変さ…」
「ノアのことかい?」
「…ま、まぁ(いや違うけど)」
「ほんと…大変なことになったね」
そう言いながら、コムイは腕を捲る。また修理…?
「ラビ。誰も入ってこないように見張っててよ」
「ヘーイ」
恋敵が多くて大変だなんて言えなくてコムイに合わせていたら、アレンの目が微妙に動いた。
アレンの目がゆっくりと開いていくのが遠目ながら見えた。
あっコムイが最終修理しようとしてたから、まだ寝てた方が良かったのにさ。
ドンマイさ〜アレン。
「あれ?」
「や。目が覚めちゃったかい?」
…今、目が覚めたらショッキングだろうな〜…
俺なら、トラウマになるかも。
「コムイさん!?え?ここどこ!?」
「ここ?病院だよ」
オレの読みどおり、起きざまに重装備のコムイを見てか、アレンはかなり焦っていた。
そんなことは気にせず普通に返事を返すコムイ。さすがさ。
「街の外で待機してた探索部隊から「街が正常化した」との連絡を受けたんだ。任務遂行ご苦労だったね」
「街が…!?」
「ミス・ミランダもさっきまでここにいたんだけど、スレ違っちゃったね」
ん?オレ、そのミランダっていう人に会ってないけど?!
っていうかオレの存在にそろそろ気付こうぜ…。
そんなオレの心境なんておかまいなしに二人の会話は弾んでいく。
「てか、コムイさんは何でここに…」
「もちろんアレンくんを修理しに v」
「………マジで?」
さも楽しそう(語尾にハートをつけるくらい)に言うコムイ。
だが、表情は一変して、申し訳なさそうな笑みに変わった。
「実はね、これから君達には本部に戻らずこのまま長期任務についてもらわなきゃならなくなったんだよ。詳しい話はリナリーが目覚めた時、一緒にする」
リナリーか…まぁあのパンダが診てるから大丈夫っしょ!
…それにしても、世羅遅すぎやしないさ?
と言うことで、そろそろ世羅を呼びに行きたいので会話に参加することにした。
コムイのセリフを遮って。
「!リナリーはまだ目覚めて」
「神経へのダメージだからね…。でも「大丈夫っしょー。今、ウチのジジイが診てっから。すぐもとに戻るよ」
「!?」
アレンは今やっとオレの存在に気付いたのか、驚いた表情でこっちを見た。
「ラビっす。ハジメマシテ」
「…はじめまして」
呆然としながらも挨拶を返すアレンに愛想笑いを付け加えた。
なんだ。白属性か。
これなら、まだ勝てる気がするさ!
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