「あぁもうっ!!何だか良くわかんないけど、俺のことは放っておいて、任務のこと話そ!さぁ話そ!!」
俺のことを話しているはずなのに、当事者の俺が話についていけないことほどムカツクことはなくて、俺は手をぱんぱんと叩き会話を中断させ、違う話題流そうとした。
それに早めに話を聞いていなかったらボロが出てしまうかもしれないからだ。
「わかったわかった。こういう話は世羅くんがいない所で、アレンくんと神田くんを入れて話すよ」
「ユウとそのアレンって奴もさ!?」
コムイさんは、くすくすと笑いながら言った。
ラビはぶつくさと、何か考えだした。
いや何故にアレンとユウ…がここで登場?
っていうかそんな事より…――
「俺がいない所で話したら陰口になるだろ…」
「えっ!ボクたちが世羅くんの悪口言う訳ないじゃないか!!」
「じゃあ何話してたんだよ?」
「ん〜?そんな世羅くんも可愛いって話☆」
・・・
「コムイさんは眼鏡を替えたほうがいいよ…」
そう言うとコムイさんはくすくす笑い続けるだけだった。
ラビといいコムイさんといい……新手のジョークなのか?
俺からかわれてんのかな。
「もういい。早く任務のこと話そうよ…」
悪口じゃないなら何の話か気になる所だけれども、それより何より話を進めておきたい。切実に。
―ぼろを出さないためにも…っ!!
コムイさんは手をぽんっと叩く。
「詳しいことはアレンくんとリナリーと合流してから話すね。あっほら世羅くん!もうすぐ街に着くみたいだよ」
そう言って外を指差すコムイさんに、つられて見た窓の外には、巻き戻しの街…いや巻き戻っていた街があった…――
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