落し物    [ 51/159 ]

「ギャー…」

「今何体目だっけ?!」




そう言いながら目の前のアクマを撃ち殺す。


『んぁ?!確か19体目だな。おい、次は上だ』

「わかってるよ…っ!!」

「エクッ…」




コムイさんに貰った資料通りに飛んでいくと、アクマがいた。
そりゃもうわんさかと。

とりあえず片っ端から倒しているのだが……



「あぁもうっ!キリがないっ!!コイツら分裂とかできたりした?!」

『する訳ねぇだろ』

「コロ…」

「わかってるけどっ!!」

『23体目』



右にいたアクマを殴り、ついでにその後ろのやつを撃つ。
更にその後ろにいた奴も撃って沈め、背後から襲って来た奴は殴り飛ばす。

そうやって、黒燿と喋りながらもアクマを倒していく。
ちなみに紅燐の弾はアクマの体内に入ると爆発するらしい。
小さいからって馬鹿にしていると、ボカン、という寸法。



「エクソシ…」ガウン



アクマが何か言ってる気がするけど無視して撃つ。
いちいち聞いてたら時間がなくなる。




「数多すぎ…」

まぁおかげ様で?紅燐の命中率は上がりましたけど?
最初の方は中々当たらなくて、何発も撃たされたから、そろそろ人差し指が痛いです。



「フザケウッ…」ガウン


…よしっ!ポジティブにいこう!!
そうだよねっ紅燐の練習ができたんだ。
うん。感謝しなきゃね!!




『お前やっぱ馬鹿だろ』

「冷静に馬鹿って言うな!っ!「エクソ…」こんなの明るくいかないとやってらんないだろ?!「エ…」」

『まぁな。はぁ…30体目』

「グッ…」


今度は4体を連射して倒す。
だんだん早撃ちにも慣れてきた。俺、早撃ちガンマンになれるかも!!
その代わり物凄く指痛いけれどねっ!!

西部〜ヘイヘイカウボーイ〜あははは〜



『頭大丈夫か…?』

「エッエクソ…」

「ダメかもしんない…「イイキニ…」っと。そういえば俺、銃なんて使ったことないのに普通にっ、撃てるんだろ?」

『「シネッエッ…」34体目…多分イノセンスのおかげじゃねぇか?』

「思ったんだけどさっ「エクソシス…」普通じゃないことでもイノセンスのおかげとかで、片付くよなっ「ギャー…」おかしいだろ」

『まぁそう気にすんな…38体目』


これアレだよね。
RPGだったら、俺間違いなく5レベルくらい上がってると思う。
しかも、回復なしで。




「オマエッ…」

「…はぁ……アレ?「クラエッ…」っ!!」

『おい。ぼさっとしてんじゃねぇよ』

「違うから!!「ウグッ…」…落とし物かな?」

『42体目…何だ、ピアスか?』

「みたいだね」



とりあえず拾った物をポケットに入れた。
結構、綺麗な作りだし高そうなピアスだなー。
多分、持ち主探してると思うし、運良く出会えたらいいんだけれど…

そんなことより、やっとアクマ全滅の兆しが見えてきた。
残りは後、20体くらいである。
まだ20体とか思っちゃ駄目だ。もう20体って思うんだ俺!

まあ、Lv.1ばかりだったので倒してみれば意外と簡単だった。
数が多かったから地味に疲れたけれどっ、指痛いけれどっ。

てか、何か限りが見えてくると、急に飽きがきた。
何だか面白くない。



「そうだっ!!ねぇ、アレ使ってみよっか!!」

『あぁ?…まぁいいんじゃねぇか?
Lv.1にはもったいねぇ気もすっけど』

「だって今回は紅燐練習任務だもん!!」

『で、何発分蓄まったんだ?』

「Lv.1相手なら5発分くらいかな?」




俺が言っているアレとは紅燐の能力のことだ。
紅燐でアクマの攻撃を受けると吸収でき、紅燐のエネルギーに替えれて、尚且つ相手の技を対アクマ用に撃てるという便利な能力なのだ。
ちなみに威力は10倍以上。
やっぱやられたら10倍返しは鉄則だよね!!




「うんじゃあ、いっきま〜す!!
(リバース ・ ブラッディバースト)!!」


ドォン








・・・





「・・・」

『もっと早く使っていればよかったな』



ちょうどアクマが上空の一ヶ所に固まっていたのでその中心に向かって発砲した。

した…したら…一発で20体を楽勝に…








「俺のさっきまでの苦労はっ?!ていうかコレはさすがに反則でしょ?!」

『いいじゃねーか、楽で』




なんか俺凹んできた…
俺ってちっちゃいか?!もしかして細かいことを気にしすぎなのか?!
でも、結構指痛いの我慢してたんだぜ!?


未だに空を見上げながら、自分の器の大きさについて考えていたら、後ろに人の気配がしたような気がした。


あれ?後ろに誰か…








「え?」

『世羅っ!!!』



何故だか心臓部に広がる違和感。
何故だか遠くに聞こえる黒燿の声。

そして…――











「バイバイ。エクソシスト」



何故だか耳元で聞こえた重低音――






ア ナ タ ハ ダ レ ?


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