マジで切れる5秒前    [ 46/159 ]

「リナリーは大丈夫なんですか?」

「コムリンの麻酔針くらって眠ってるだけだ。
はあぁ〜ラクになりたいなんて思ったバチかなあ…」

「え?」

「お前達エクソシストや探索部隊は命懸けで戦場にいるってのにさ。悪いな。おかえり」




そんなの、さびしい。



「…人には居場所あって、それに、楽とか、キケンとか、ない……と、おれは、おもう。研究とか、おれ…ムリ」

「・・・世羅?」

「ん・・・。たらいまりーばーさん」



寝呆けながらもちゃんと返事を返せたと思う。
思いついたことが口から勝手に出てしまったような気もするけど。(いわゆる半寝言)
リーバーさんは苦笑していた。

何かおかしなことを口走ってしまっていたのだろうか?




「・・・・・・」


アレンはぼうっとしていた。

確かマナのことを考えていたんだっけ?
あれ?俺意外に結構覚えてんじゃん。

まぁ紙面上の気持ちしか俺は知らないから、実際アレンが何を想っているのか何て俺には分かんないけどさ。

そんなアレンを不審がってか、リーバーさんは声をかけていた。



「アレン?」

「え‥あっはい!」

「何だよ。もしかして任務の傷が痛むのか?」

「いえっ平気です。た、ただいま」

「?」


何となくそのやり取りを眺めて暖かい気持ちになった。
その気持ちのまま、さてもう一度眠ろうかと思ったら、




「おおーい無事かー!!」



邪魔が入った。

何でこうさっきからタイミングよく・・・
…いい加減寝かしてくれてもいいんじゃないの?


何だかよくわからない三角の浮遊物体に科学班の皆が乗っていた。
そんなのは関係なしに、不機嫌指数が上がった。

眠い眠い眠い眠い眠い。
眠いってさっきから俺言ってんじゃん。


それにしてもみんな、ちりちりあたま…







「室長!みんな」

「班長ぉ、早くこっちへ!」

「あ、アレンとトマと世羅も帰ってたの?こっち来い。早く「リナリィーーまだスリムかいーーー!?」…」

「落ち着けお前ら…」



何かテンション高すぎて付いていけない…



その時、後ろから振動が来ると思ったら壁ごと吹っ飛ばされた。
どうやらコムリンに追いつかれてしまったらしい。
再び、閉じかけた目を仕方なしに開けて回りを見る。

すると、三角の浮遊物体から大砲ちっくなものが出現した。
ますます戦隊物めいていく。
いつから番組変更したんだか。



「来たぁ」

「科学班をナメんなよぉ!!」

「「「「「壊れー!!」」」」」

「!!ボクのコムリンを撃つなあ!!!」






あ・・・







「!?」

「あっ…」





 カチッ





コムリンに撃つはずだった大砲の弾丸が散弾した。
コムイさんが邪魔したからだ。
もちろんこっちにも弾丸は飛んでくるわけで…必至に避けた。


「…ビックリした」


いい加減目が覚めてきた。
ていうかコレのせいで目が覚めた。

眠いのに目が冴えちゃって眠れない状況ってあるよね?
俺の場合は強制的にそれを作り出されたっていうのかな?



うん。

とりあえず、


眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い。








「…紅燐発動」

「「「「「…え?」」」」」



紅燐をぶっ放してコムリンの足を2本一度に落とす。
ぶっちゃけると軽くキレてます。





「世羅…?」




青ざめた顔で恐る恐るといった風に尋ねてくるアレンに、俺は清々しいまでの笑顔を浮かべた。





「俺さぁ、眠たいとこを邪魔されんのが一番許せないんだよね…マジで。お願いだから静かにしてくれないかな?煩いんだけど、さっきから」

((((こっ怖ぇ…))))

「なななな何してくれたんだっ、お前らっ!!」

「は、反逆者がいて…」





反逆者ことコムイさんは縄でぐるぐる巻きにされ、コムリンの元へと突き出される。
いくら暴走しているとはいえ造り主ぐらいはわかっているみたいだ。




「コムリン…アレンくんの対アクマ武器が損傷してるんだって。治してあげなさい」

「え゙?」




だがしかし、コムイさんの命令は皆の予想と違っていた。
そしてコムリンの動きが止まる。
何かを考えているようだ。

嫌な予感しかしない。




『損、傷…

優先順位設定!アレン・ウォーカー重傷ニヨリ最優先ニ処置スベシ!!アレンを手術室へ連行ーー!!』




ちっちゃな手が出てきてアレンの足を掴み、そのまま手術室へと引きずり込んでいく。




「ぎゃあああ、何、あの入り口!?」

「さあリーバー班長!コムリンがエサに喰いついてるスキにリナリーをこっちへ!!」

「あんたどこまで鬼畜なんだ!」




手術室の中を見てみると、小さいコムイさんが嬉しそうに待っていた。
俺はアレンに駆け寄りながら紅燐で小さいコムイさんを撃ち倒す。
アレンも対アクマ武器を発動して応戦しようとしたが、コムイさんに吹き矢を撃たれ撃沈してしまった。




「ふにゅら?しびれるる〜」

「アレンっ!!」

「アレンー」

「ウォーカー殿ーー!!」




科学班の方もごたごたしているで、コムイさんが邪魔する心配はもうないようだ。
その間にまたミニコムイさんを撃ち倒す。
アレンは痺れて上手く喋れないようだが、頑張っていた。




「リ、リーバーしゃん…リナリーをちゅれて逃げてくらしゃい…」

「アレン…」

「ぱやく…」






『アレン・ウォーカー収容完了しました』





アレンの姿は見えなくなってしまった。


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