「だいぶ遅くなっちゃいましたね〜」
「この嵐で汽車が遅れましたから…」
やっと教団についた。
今は真夜中…
正直言ってかなり眠い。
基本的に夜更かしに慣れていないし。
それに、初任務で色々あったことも原因かもしれないけど、黒燿を使いすぎたせいもあるかもしれない。
本当に眠い。
もうだいぶ治っている傷も、湿度が高いせいか、疼いていて痛いような痒いような感じがする。
不快指数が上がった。
微睡みながらふらふらと歩いていると、誰かが支えてくれた。
いい所に支えがあるなぁと、支えてくれた相手に体を預ける。
これでようやく眠れる。
「世羅…もう少しですから頑張ってくださいよ!…まぁかわいらしいですけど」
「ん……」
どうやら支えてくれたのはアレンらしい。
眠すぎて働かない頭でそれだけは理解した。
アレンが何か言ってくれている気がしたので、とりあえず返事だけはしておいた。
とりあえず今は寝たい。
そのまま目を閉じる。
アレンには後でお礼言っとこ。
「あははは、もう真夜中だなあ‥回収したイノセンスはどうしたらいいのかな」
「科学班の方なら誰か起きてらっしゃると思いますよ」
「じゃあ行ってみます。あぁっ!世羅、寝ないでくださいよ!!」
「む〜…」
支えられたままの状態で眠っていたら揺すぶられた。
正直言って、俺は寝起きが悪い。
そんなぐらいじゃ起きれない。
唸りながら寝続けていたら微妙な浮遊感があったので、おんぶされたのが朧げながらわかった。
これは寝てていいってことだよね。
落ちないようにアレンの首に腕を回す。あったかい。
人の温もりを感じて、更に意識が下へ下へと落ちていくのが分かった。
今ならいい感じで眠りにつけそう。
「はぁ。心臓に悪いなぁ…。にしても軽すぎ…」
「う〜…」
「いっそのこと、このまま持って帰っちゃっても気付かれないよね。」
「ウォ、ウォーカー殿…」
「いやだなぁ、ほんとに持って帰るわけないじゃないですか〜。………チッ」
会話はもう聞こえなかったけど、何となくアレンから不穏な気配を感じた。
気のせい・・・だよね?
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