その後、部屋に案内してもらった。
「どうせなら世羅と近くの方が良かったです…」
「こればかりはどうしようもないよね。まぁお互いの部屋行き来すればいいだけだし!」
「そうですけど……よりにもよって、何でアイツが…」
「?」
アレンとは離れちゃったけど、なんと…ユウの隣らしい!!
俺はるんるんしながら、アレンは何故か沈みながら二人で歩いていたら、別れ道に差し掛かった。
アレンは右、俺は左なので今日は一先ずお別れだ。
「じゃあ、アレンまた明日!!」
そう言って部屋の方へ向かおうとしたら、腕をつかまれた。
こけそうになり、たたらを踏んだ。
「うわっ!!なっ何?!」
「あっごめん!!えっとお礼が言いたくて、世羅、さっきはありがとうございました。お礼言うの遅くなってしまってすいません」
「へ?なんかお礼言われるようなことしたっけ?」
「神田に怒ってくれたじゃないですか」
…あの握手事件か!
何か色々ありすぎて昔のことのように思えてたよ…。
俺も後で神田に謝りに行かなきゃな。
このコートも返さないといけないし。
「あっ、あぁ!いやいや全然お礼なんていらないって!」
「でも嬉しかったから。じゃあおやすみ世羅」
「おやすみ、アレン」
柔らかく微笑んで、アレンは部屋の方へ帰っていった。
アレンを見送ってから俺も部屋の方へ向かう。
これから何があるかわからないけど、出来ることはやろう。
そう胸に刻んで…―――
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