アレンの治療も終わり、俺達はコムイさんに連れられて、三角のエレベーターちっくな物に乗って移動している。
「あっ、アレン?大丈夫か…?」
やばい。アレンが真っ白な灰になってる…!
しかも心なしか、コムイさんはすっきりしているような気がする。絶対さっきの修理でストレス発散したんだ…!!
「まあまあ。副作用はあるけど寄生型はとってもレアなんだよ〜。イノセンスの力を最も発揮できる選ばれた存在なんだ」
「?いのせんす?」
アレンがよみがえった!!
ここらへんは漫画で読んだから聞かなくていいや。と俺はコムイさんの説明を聞き流した。
「さあ。キミ達の価値をあの方々にお見せするんだ。まずはアレン君から」
おっきたきたきたぁ!ヘブラスカ!!なんつーか神々しいな〜。
てかコムイさんあの言い回し絶対わざとだろ。
そう思ったので、じとーっと睨みながらコムイさんに聞いてみた。
「コムイさん絶対楽しんでやってるでしょ?」
「良くわかったね〜。世羅くんはヘブラスカが怖くないのかい?」
やっぱ楽しんでたんだ…
それにしても、ヘブラスカね〜…怖いか?
「?どっちかと言うと神々しくて綺麗じゃないですか?」
「そうか」
疑問符を浮かべながら聞き返すと、コムイさんは目を細めて微笑んだ。
ちゃんとした表情したコムイさんはやっぱりかっこよかった。
アレンも当然かっこよかったけど。
くそぉ〜…やっぱり美形率高いなぁ…泣けてくる…
なんて考えながらも、俺は視線をアレンに戻した。すると、アレンは発動しようとしている所だった。
やばっ!アレン止めなきゃ!!
「アレン!その人は悪い人じゃないって!!」
叫んでみたが、アレンの所には届かなかったようだ。
結局アレンは発動してしまい、ヘブラスカに助けられていた。
遅かったか…
「アレン・ウォーカー…お前なイノセンスはいつか黒い未来で偉大な『時の破壊者』を生むだろう…」
アレンを降ろして、ヘブラスカはそう預言した。生で聞くと信託みたいだ。
バキッ
横ですごい音がしたと思ったら、アレンがコムイさんを殴っていた所だった。コムイさんは書類でガードしていた。
アレンが怒るのも無理ないよな…
ちゃんとコムイさんが説明してくれていれば、無茶しなかったのにな。
「ごめんごめん。ビックリしたんだね。怖かったんだね。わかるよ〜〜」
ヘブくん顔怖いもんね、と続けるコムイさん。
「それってヘブラスカに失礼なんじゃ…」
コムイさんに反論してみたけれど、俺の呟きは2人には届かなかった。
何故ならヘブラスカの手が伸びてきて、俺を宙に連れていったからだ。
「いい…私は気にしていない…が…ありがとう‥」
2人には届かなかったものの、ヘブラスカがちゃんと返事してくれた。
「調べさせて‥もらう」
「ゔぅっ」
ヘブラスカの手が体を這い回る。
なんか体ん中まさぐられてる感じがする…
気持ち悪いぃ……早く終わんないかな〜
その間にもヘブラスカはシンクロ率を測っていた。
「…2%…16%……」
はっきり言って、計られている間は、すっごく暇だったりする。
とりあえず、ぼうっと辺りを見ていると、ヘブラスカの体の方から光がふよふよ浮きながらこっちに来ているのが見えた。
「?」
ヘブラスカの声は続いている。
どうやら、気付いていないようだ。
「30…41……58…」
光は尚もこっちに向かって…
…こっちに向かって?!
「えっ?!ちょっ?!うわっ!」
光はもう目と鼻の先にいる。
光が俺にぶつかった瞬間、辺りはまばゆい光に包まれた…――
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