リナリーかわいいなぁ〜。
ああいう子を女の子って言うんだよ?皆、リナリーを見慣れてるはずなのに何で俺を女の子と間違えるかなぁ?
無事教団の中に入れてもらったアレンの隣で俺は、リナリーを見ながらそう思った。
「私は室長助手のリナリー。室長の所まで案内するわね。えっと、世羅くんだったよね?」
「うん」
「じゃあ世羅君もアレン君と一緒に案内するわね」
ちゃんと俺の話がユウから通っていたようで、ほっとした。
そうだっ!アレンにも自己紹介しなきゃ!!
くるりと向き直り、アレンを呼ぼうとしたらあのシーンだった…。
「呪われてる奴と握手なんか、するかよ」
握手を求めるアレンを冷たく一瞥するユウ。
…やっぱ俺、このシーン嫌い。
「・・・」
「〜っ!」
つかつかと無言でユウに近寄り、デコぴんをする。
「ユウのバカっ!そんなの差別だろっ!呪いがどうした?!アレンに謝りなよ!」
「・・・」
ユウはびっくりしたように額を押さえていたが、くるりと背をむけ去っていった。
一言くらい言って去れよ!
その場には不貞腐れている俺と、凹んでいるアレンと、そんな俺達を見て苦笑いを浮かべているリナリーが残された。
リナリーがそんな俺たちをみてフォローを入れた。
「ごめんね。任務から戻ったばかりで気が立ってるの」
「ごめんなアレン…。任務ってことは俺のせいかもしれない…」
もしかして自分だけ仲良くなったものだと勘違いしているのかもと、うなだれる。
「あら、それは違うと思うわよ。多分その前の任務のせいだと思うわ」
「…そうだったらいいな」
リナリーの優しい言葉に少し気分が浮上してきた。
よっし。くよくよタイム終了!
強く言いすぎたかもしれないから、後でユウに謝りに行く!それで解決!
ということで、まずはアレンに自己紹介しなきゃ!
「初めまして。相模世羅です。あっ、こっちじゃ世羅・相模になるかな?とりあえず世羅がファーストネームだから。よろしく!」
そう言って行き場を無くしていたアレンの手をとり、ぶんぶん振った。
何だかアレンの顔が赤い気がするけど、さっきの騒動のせいでしょ。
「あっ、アレン・ウォーカーですっ!えっと…世羅でいいですか?」
「いいよ。じゃあ俺もアレンでいいかな?リナリーさんもリナリーでいい?」
勝手に頭ん中で呼び捨てにしちゃってたので二人にちゃんと聞いてみた。
「はいっ!よろしくお願いしますね」
「いいわよ。それじゃあ、行きましょ」
良かった〜。2人ととも仲良くなれそう!
今度は正面から堂々入場――
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