船に乗り、電車に乗り、また船に乗り、やっと着きました黒の教団!!
途中船の上でユウの手当てをするとかいう貴重な体験も出来たり!
だってユウ、これぐらいすぐに治るって言って手当てしないんだよ?!
だから強引に手当てしてやりましたとも!
「お前が勝手に手当てしたんだ。礼は言わねえ」
というユウらしいお礼の言葉も頂いちゃいました!(本気で言ってたらどうしよ)
教団内をユウと進んでいく。
辺りをきょろきょろと見回しながら歩いていると、ユウに服を捕まれた。
「うぐっ」
「前を見て歩け。転んでも知んねぇぞ!」
「あははは…ごめん」
でも好奇心には勝てなくて、ついきょろきょろしてしまう。
ユウがため息をついた。
俺の気のせいかもしれないけど、だいぶユウと打ち解けれたと思う。多分。
ていうかさっきから周りの視線がものすごく痛い…。
新参者だってのバレバレ?
ううっ…アレンの気持ちがわかったよ。こそこそ言われると落ち着かない。
「ふえっ?なっ何?」
いきなり立ち止まったユウにコートを掛けられた。
驚いてユウを見ると、ユウは近くにいた団体さんを睨み付けていた。団体さんはそそくさと去っていく。
「?」
「お前、その服、どうした‥?」
ユウは少し言いにくそうに聞いてきた。
言われて見てみると服はぼろぼろで、ブレザーの原型を留めていなかった。
上着は確かどこかに引っ掛かった時に脱ぎ捨てたから、上はカッターだけなんだけど、そのカッターは左脇の所が大きく裂けていて袖も破れている。
下を見てみると、ズボンが右は半ズボンと化していて、左も太股の所で大きく破れていた。
――思ったより酷いなぁ…
「えっと…さっきアクマから逃げ回っていた時に破れたみたい?」
「…それ着てろ」
それと顎で示されたのはユウのコート。
なるほど。さっきから視線をやけに逸らされると思ったら、このせいだったのか。
「あははは…お見苦しいものをお見せしマシタ」
納得した俺はそう言って、有り難くコートを着させてもらった。
…悲しいことにサイズがでかかった。
「デカイ…」
「テ、テメェが華奢なだけだろっ」
ユウは何故か焦ったように吐き捨てて、早足で歩き始めた。
俺も裾を踏まないように注意しながらついていく。
「えっと、着いたら何処行くんだっけ?」
「科学班にいるコムイって野郎の所だ」
漫画でも読んだし、ユウから説明もうけたから教団の仕組みはバッチリ!
意外とユウ、説明上手いんだよね〜!
こっちに来てから新しい発見ばかりだ、なんて喜びながら、ユウに聞いた道を思い出しつつ歩く。
「次を右だったよね?」
階段を登りきり、そう言って曲がろうとした瞬間、
『こいつアウトォォオオ!!!』響き渡ったのはアレスティーナ=ドロエ=ギョナサン=P=ルーボーソン=ギア=アマデウス5号の叫び声。
あっ名前覚えてた。
ちょっと感動!!
――…ってそうじゃなくて!
これってアレン登場のシーンじゃっ!?あれ?原作じゃここでユウの登場だけど、ユウは今俺の隣に…
「・・・」
大変です。ユウが投身自殺を図りました。
「えぇ!!ちょっ、ユウ!?」
一先ずユウにどうするか聞こうと思い振り返ると、ちょうどユウが窓から降りた所だった。
ここ20階以上の高さは余裕であるよね?!
窓に急いで駆け寄り下を覗き込むと、ユウはちょうど門の上に降り立った所だった。
…すごい身体能力…
そこで、ふと思いつく。
自分のイノセンスは発動すれば身体能力が上がるんじゃなかったっけ?
…てことはイノセンス発動すれば俺もいけるじゃん!
そうと決まれば即行動。
窓に足を掛け、身を乗り出す。
「よっし!黒燿発動!!」
俺は勢い良く窓から飛び降りた…――
端からみたら集団投身自殺になるのか?
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