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 ハロウィンの悪戯

※現パロです

街中を歩けば、ハロウィンらしい仮装がちらほらいる

それらはフランケンシュタインとか狼男とかの格好で皆がカボチャを模した入れ物をぶら下げている。見れば中にはお菓子が溢れんばかり…普通は悪戯するんだけどね

-お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ-
それがハロウィンの定番

『ねえ、千鶴ちゃん』
『どうかしましたか?』

せっかくのハロウィンだからって理由で、お互いが選んだ服装に僕たちは身に纏ってる

千鶴ちゃんは魔女で、僕は吸血鬼をイメージしてるんだって

なんだか嬉しいよね
好きな人に自分の服を選んでもらうなんてさ

『Trick or Treat』
『え…』
『お菓子はないの?』

わざと目線を合わせて聞いてみる

『…持ってません、総司さんのを作ったのに忘れてしまいました』

こんなに楽しそうなイベント
間違いなく僕ならやると思うもんね

千鶴ちゃんは警戒心なさすぎ

それだけ、君が僕に気を許してるって事だから素直に嬉しい

クスクスッ

『じゃあ、悪戯しちゃおうか』

繋いでいた手に唇を寄せて

『ん…』
『痛っ』

左手の薬指に赤い華を咲かせる

『お、沖田さん!』
『千鶴ちゃん、顔真っ赤だよ』

赤くなっていく彼女は、自分の手を胸元に寄せてもう一方で隠してる

『お菓子か悪戯か、選んだのは君だからね』
『だ、だからって…コレ、しばらく消えないでしょう!』

当たり前だよ
消えないようにしたんだから

『楽しいハロウィンになったでしょ?』
『…恥ずかしい…です』
『やっぱり、千鶴ちゃんは可愛いな』

僕にとっても、心に残るハロウィンになったよ

―Trick or Treat―
お菓子か悪戯
どちらを選ぶかは君次第







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