新Dust | ナノ












 
ファーストキス《サイ津+臨

もともと人間じゃなくても、もちろん感覚はあるし感情も持ってる

だから疑問を持つ事だってある

いつも家で会う度に臨也くんとシズちゃんが唇を合わせてるのを見てなんとなく疑問が生まれた

『なんで、ちゅーするの?』

臨也くんは愉しそうだけど、シズちゃんは真っ赤な顔で泣きそうになってるのに。

そう聞いてみたら一言で返されちゃった

『愛してるからだよ』

【愛してる】?
そんな言葉、探しても見つからない

『臨也くん、よくわかんないー』
『相手が大好きって事』
『俺はみんな大好きだよ!でも、1番は津軽!』

小さく肩を揺らしながら、「サイケらしい答えだね」って頭を撫でてくれる

『そんな感じ。サイケは津軽と一緒に居たいって思うでしょ?』
『うん!津軽大好きだもん』
『お互いに1番大好きだから、ちゅーするんだよ』
『そっか!じゃあサイケも津軽にちゅーしてくる!!』

それからすぐに津軽の所へ向かう
向かうと言っても自分たちの部屋に戻るだけ

『津軽ー遊びに来たよ!』
『ん、サイケ?』

ぎゅーって抱きついたら、微かに微笑みながら優しく抱きしめてくれる

『津軽はサイケの事、好き?』

……………
黙ってたら分からない

『答えてくれないの?』
『な、んで…いきなり』

見上げれば顔を赤くしちゃってる
やっぱり津軽が1番可愛いよね!

『俺は津軽が大好きだけど、津軽は嫌い?』

着物に頬を寄せれば、煩いくらい鼓動が鳴っていた

『嫌、いじゃ、ない』
『じゃあ好き?』

その瞬間に鼓動が大きくなって津軽の身体が震えた

いかにも恥ずかしがっている事が分かるから、つい笑ってしまう

『俺も、』
『俺も?』

さらに真っ赤になって津軽はじたばたし始める

津軽がいけないんだよ
答えてくれないんだもん

『津軽?』

びくっとしながらも必死に言葉を紡いでくれる

『サイケが、好き』
『大好き?』

反応が楽しくて何度も聞いてしまう自分に呆れるくらい

『…大、好き』
『やった!じゃあ、ちゅーしてもいいよね!』

ちゅっ

!!!!!

一瞬だけのちゅーだったけど、津軽と出来たから幸せ!

きっと俺も津軽も初めてだから

表情を緩ませてる俺を余所に津軽は唇を押さえて動かない

『初めてのちゅー、もらっちゃった』
『なっ、サイケ!?』

俺を見つめて口をパクパクしてるのも可愛らしい

『津軽の唇、ふにふにでっ』
『言わなくていいから!』

言い終わる前に口を塞がれた

そこまで力も入ってないから意味のない口止め、だけど拗ねちゃうから言わない

『津軽ってば可愛い』
『サイケの方が、可愛いから…』

頬を赤く染めて言っても説得力ないよ?
まぁ可愛いから気にしないけど。

『その反応が可愛いの!』

ちゅっ

愛してるよ、津軽
津軽も俺を愛してるでしょ?






back



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -