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Logical taste

写真にその瞬間を閉じ込める。

視線や表情、仕種だけで一枚一枚の色が変わるから。写真を撮る事は好きだ。

デジカメのデータはマイの表情で溢れてる。それを見ては愛しくなる気持ちが生まれてくるんだ。

笑顔で映る暖かい色を帯びることもあれば、悲しげな写真は冷たい色になる。

「マイ」

「なに?」

パシャリ

振り向いた瞬間に一枚。花を摘むことに夢中な君は、色鮮やかなそれらを抱えてやってきた。

「ウキョウも一緒に摘むの?」

「いや、俺はマイの写真を撮ってるよ」

「うー、せっかく期待したのに残念」

唇を尖らせて、先程まで摘んでいた花たちに顔を寄せる。なんとなく、駄々をこねた子供が人形を抱えて拗ねてる感じだ。

そんな場面も写真てして残したいと思うのは重症なのかもしれない。

記憶が失われることはなくても、刻み込みたいと思ってしまう。どんな一枚でも俺には大切な思い出だから。マイがいるから俺も楽しいんだって思える程に、恋人に依存してしまった気がする。

「じゃあ、一輪だけ摘むよ」
「本当に?嬉しい!」

手折った花は淡いピンクの花。俺がイメージする彼女の色を持つ華。

「マイにあげるよ」

「うわぁ綺麗…ウキョウ、ありがとう」

花を飾るのは、きっと彼女の方が合うだろう。

俺がなんとなく摘んだ花を受けとって、微笑む姿は息を呑むほど美しいと思った。


title by たとえば僕が





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