月の道

夜空に浮かぶ
まんまるお月さま

見上げて手を翳す

ぼんやり包み込む光
別世界へと道を繋ぐ

瞳を向ければ見えてくる
かつてない新しい風景

此処はどこなのだろう
誰も知らない
私を知る者はいない
不可思議な場所

城は空に浮かび
躯には薄羽があり翔けていく

そして自分の【色】を纏っている

その中の二人
【色】が飛び抜けて輝る

あそこにいるのは誰か
見覚えのある姿が在った

二人の双眸が向いた
透き通った紫と碧

何故なのか
こちらに翔けてきた
目の前で微笑み
そして苦笑して言った

ようこそ 異世界の住人さん
…待ち望んだもう一人の私

あそこにいたのは誰だったのか

目の前の二人は…
私であり私ではない

色違いの双眸を持つ私
それはこの二人が在る為だった

やっと解ったところで
二人は手を差し出す

彼らは恭しく触れた掌を包んだ
さも自ら招待した姫のように

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