檻と月

檻に閉じ込められた日々
見えるのは 僅かな月の欠片

空の下を歩けるのは
彼が気まぐれに散歩する
皆が眠りについた静寂な夜

なぜこうなってしまったの？
誰でもなく 見上げた月に問う

ただ秘めた想いを伝える
それだけだったはずなのに

ねえ 誰か教えて
なぜ世界を切り取られるの？

私はどうすればよかった？

念(おも)いは虚ろに舞うbr>
閉じられたこの世界で
声が届くことはない
心が冷たく 水底に沈む

その先にはなにもない
なにも感じられない

嗚呼 心が消えていく


檻を壊したのはあなただった

けれど私はどこへ行けば…
なにをすればいいの？

檻で生きていた私には
わからない

心を沈めなければ
生きることが苦痛だったから

手を差しだすあなたに
私はなんて言えばいい？

戸惑う私にあなたは
優しく手を引いてくれる

生きる希望は見つかるのかな

初めて知る眩しい世界で
沈んでいた心が
水面に浮かぶように
たくさんの幸せをもらった

ありがとう ありがとう

木漏れ日の下 二人並んで
心から感謝を込めて

ねえ 手を繋ぎましょう
頬を緩めながら手を重ねる

叶うのなら 繋いだ手のぬくもり

想いが伝わるといいな



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