偶然にも停泊港が被った為、キラーは久し振りにハートの潜水艦に顔を見せた。
普段通りにペンギンの自室に招き入れられた後、茶菓子を取りに行き戻ってきたペンギンがその手に持っていたのは、甘い甘い菓子。
キラーが甘いものを好むかどうかは知らなかったけれど、無いよりマシだと半ば諦めて菓子の箱を机に置いた。
「悪い、これしか無かったんだが」
「ん、ラング・ド・シャか?」
見せた途端目を輝かせたキラーに、ペンギンは少し驚く。
「…意外だな、キラーって甘党なのか?」
「まあ、どちらかといえばな」
こくりと頷いてそれに手を伸ばすキラー。まるで子供のような素早さに、ペンギンは思わず苦笑した。
「そういうの、好きなのか」
「ああ。おれだけじゃなくて、うちの連中は大体みんな甘いものが好きなんだ」
「そうなのか!?」
「キッドだって辛いものよりは甘いものを好むぞ。というか、辛いものは寧ろ苦手なくらいだな」
あのユースタスが、とペンギンは絶句する。もしもローが知ったのなら、即イジられる事だろう。ユースタスの威厳の為にも黙っておいた方が賢明だろうか。
***
甘党なキッド海賊団はエンジェル
(20121213)