「あら、おはよ」
「あ」

朝。

下駄箱で突然声をかけられて、顔を上げれば…

「ライバル*名前ちゃん」

そこにはライバル*名前ちゃんの姿があった。

「おはよう」
「名前ちゃんと会うなんて珍しいね」
「うん、そうだね」

当たり障りのない会話をしながら靴を履き替えて。
自然に2人で教室まで向かう。


(可愛いなあ…)

隣のライバル*名前ちゃんを横目で見ながら、しみじみと思った。

綺麗な色の髪、くりんとした目。
誰もがうらやむような、サラサラした肌。
多分ライバル*名前ちゃんは、かなりの美人だと思う。この学校でもトップクラス。

対する私は、平凡な外見。

全部が、正反対だと思う。
こんなにも正反対な私たちが交流を持てたのは


「そういえば昨日、教室行ったの?」
「うん。ライバル*名前ちゃんは今日だよね?」
「そ。今やってる曲、指届かなくて大変なの」
「あー確かに」

ピアノという接点があったから。

ピアノがなかったら、多分私とライバル*名前ちゃんなんて口も効いた事なかったと思う。


だって、こんなにも違いすぎるんだから。








01


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