03





「落ち着いた?」
「うん…ごめんね」

あれからしばらくして、ようやく名前は泣き止んでくれた。

「ところで、名前はどうしてここに来たの?」
「あ、お疲れ様って言おうと思ってたの。ただそれだけ」
「そっか…ありがとう」
「タイガもね、お疲れ様」
「おー。サンキューな」
「それじゃあ私そろそろ帰るね」
「気を付けて。今度またゆっくり話そう」
「うん。タツヤ、喧嘩しちゃだめだよ」
「分かったよ」

アレックス、タイガ、そしてオレに手を振って名前は帰って行った。



「そういえば何か話があったんじゃないのか、タイガ」
「ん…ああ、ワリィ…そーゆー空気じゃなくなっちまった。あとで話すよ、必ず…!」

そう言ってこの場を後にするタイガの背中を見送る。
…なんて言おうとしてたか、大体は見当がつくんだけどね。


「しかし変わんねーなあ、名前は」
「そうだね」
「タツヤ」
「…分かってるよ」

分かってる。
タイガが言おうとしていた事も、アレックスが言いたい事も。
オレの考えが間違っていた事も。

だから近々タイガに会えたら、オレからも言うよ。

また兄弟として戦おうって。


名前にも、もう一度お礼を言わなくちゃね。





(NEXT⇒あとがき)






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