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さっきからひっきりなしに鳴っている携帯。

今年はどうやらフライングメールが流行ってるみたいで
そこには少し早い友達からの「明けましておめでとう!」の文字。

メールは様々なカラフルな素材でデコレーションされていて
もう年賀状よりメールの時代なのかなあ…なんて考えてみる。
いや、私は届いた年賀状を見るあの瞬間も楽しみなんだけどね。


かくいう私は某カウントダウンのテレビ番組を見ながら
こたつに入って一人ボーッとみかんを貪っていた。

まさに『冬』と言う感じのスタイル。


時計を見れば、午後11時24分。


もう少しで年越しかあー。



私は携帯を操作して、今朝母から受信したメールを開いた。

『雪が深くて帰れそうにないから、今日は無理そう。
年越しはバラバラになっちゃうけど、
雪が溶けたらすぐおみやげたくさん持って帰るからね!』

読んでから、大きなため息をつく。

両親は昨日、祖父母の大掃除の手伝いをするからと言って
朝早くに出かけて行ってしまった。

そしたら祖父母の家の方は積雪量がハンパないから帰れなくなったみたい。


彼氏と年越し!とか友達と年越し!なんて友達が多い中
年越しは毎年家族皆で過ごす派な私は

それはまあ、寂しいわけで。


「一人の年越しって寂しいよー」

独り言を呟いても、当然返事が来るはずもなく。


2度目の大きなため息が、テレビの雑音と共に部屋に響いた。








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