03
「はあー…」
「●●ちんお疲れーこれ食べる?」
バラバラと私の机の上に袋入りの飴を置く敦。
―…今は授業が終わった後の休み時間。
あの後授業は難なく進んでとりあえずはホッとしたけど…
普段の授業中は目立ちもせずに無難に過ごしている私にとってはかなり疲れた。
まさか自分があんなに注目浴びる事になろうとは思わなかったし。
「…ありがと」
飴をひとつ貰って口に入れる。
ん…甘い。
「私は決めた」
「何がー?」
「これから先敦が授業中寝てたら、必ず起こす」
「えー、そこは寝かせてよ。いっつも疲れてんだし」
「無理!もうあんな思いしたくないもん!」
「大体それオレのせいじゃねーし」
「いーや敦のせいだね!」
「…じゃあやっぱオレの事見てたの?さっき」
「うっ……」
…あー墓穴掘った自分。
「とにかく!これからは絶対起こすからね!」
「んー…ま、せいぜい頑張って」
ふわふわ、ふわふわ。
そこにいるはずなのに、何か掴めない。
「敦…敦!」
「こら名字!問20を解けと言ったのが聞こえなかったかー!」
「へ?はい!ごめんなさいっ」
「また紫原に見とれてたのか?」
「違いますから!」
「あ…おはよー●●ちん」
「今頃っ…」
今度は敦を起こそうと躍起になった私。
いくら起こしても起きない敦のせいで再びクラスの注目を浴びる事になるのは―…
また、別の話。
ふわふわ、ふわふわ。
君と過ごす時間は、いっつもそうなんだ。
ふわふわ
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