※pksp36を基盤にした捏造





「キャハハ、これからおもしろいことが起こるのよ」

 見に行かなァい? なんて、無邪気に笑うあの女の子の声が耳に残る。
 おもしろくなんか、ない。おもしろく、なんか。そうやって言葉にしたならば、女の子はとっておきの玩具を奪われたみたいに頬を膨らませた。

「なによ、人がせっかくおもしろがってるのにィ」

 その言動はまるでゲームでもしているかのようで、だけど、だって、下手したらキミだって――キミ、だって? その先に僕は一体何を言おうとしているのだろう。今僕は何を考えた?
 だってあの子はシンジ湖に爆弾を落とそうとしてて、それをゲームみたいに思ってて自分のことなんて考えてなくて、だから、だけど? しんでほしくないだなんてそんなこと。
 確かに誰かがしぬのなんてそれが誰であっても快く思わないけど、そうじゃなくて。よく分からないまま、言葉が溢れてしまった。

「おもしろくなんか、ない!」

 キミだって、しんじゃうかもしれないんだよ?! そんなのおもしろいわけないじゃないか!
 あーあ、僕は何を言っているんだ。訳が分からない。あの子はギンガ団で、悪人で、裁かれなきゃならないことをしてるのに、でも。
 しんでほしくなかったのは、なんでだろう? そうやって言ったときに悲しそうな顔をしたのはなんでだろう?









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2011.03.15(初出)
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