Long story
零――心霊研究部の部員とは
立地条件は最悪だ。戦国時代に戦場だった場所。それからしばらくは民家などが立ち並んでいたらしいが、明治時代に病院が建設される。しかし、病院というのは建前で、実は人体実験が行われていたという話もある。病院はそんなマイナスイメージを抱えながらも、昭和まで続いたというのだから驚きだ。そんないわくつきの病院も、戦争の空襲で跡形もなくなってしまう。あまり空襲の被害がなかった地域なのに、まるでこの病院にしか当たらないように魔法がかかったかのような空襲被害だったらしい。そもそも、戦争でも病院などの施設は狙わないというアメリカの意志に反している時点でおかしい。しかし、当時そんなことに目がいく人間など誰もいない。
そして高度経済成長がやってくる。もはや戦後ではない。しばらく更地だったその場所に、学校が建設された。
開校してから進学校に上り詰めるまで、その道のりは実に短く楽な道のりだったらしい。開校してからたった5年で、県内でトップクラスの進学校、1000人越えの生徒という状況まで上り詰めるというのは普通ではない。きっとそれは代償あっての栄だろう。
その高校の名は、県立大鳥高等学校。またの名を、幽霊高校という。
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mokuji
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