Long story
瞬時に一歩を踏み出して。
姿を表してからこれまでピクリとも動かない鬼ーー妖気の出所に向かって真っ直ぐに、一気に距離を詰めてバットを振り下ろす。
「━━━」
「チッ」
真柚の言ったり、流石に家元の鬼。最初の一撃は、いとも簡単に躱されてしまった。
その動きの速さを確認しつつ、一度距離を取った。華蓮はその間鬼から目を離さなかったが……ずっと、視線はかち合ったままだった。
つまり少なくとも、今の速さには当たり前のように付いてくるということだ。
「いつもの7割と言ったところか。…まぁ、10割りであっても躱されていたろうがな」
「黙れ」
「ならば黙れるほど速く動け」
「言われなくてもーー」
分かっている。
今一度、先程よりも数段スピードを上げて間合いに入った。そして今度は上からではなく下から、顎に向かってバットを振り上げる。
「━━━」
「!!」
ガシッと、華蓮の振り上げたバットが捕まれた。あの勢いで繰り出した衝撃を、何の反動もなく受け止めるのか。
華蓮が咄嗟にバットを消しーー自らの拳で再び顎をめがけた。
「ぎががががッ!」
華蓮の拳は確かに顎を捉えた。鬼は言葉になっていない奇声をあげる…が、顎を叩き上げられたことで強制的に上を向いた顔に直ぐ様ぐっと力が入った。
力負けする。そう思い拳を離そうとしたその時、既に腕を捕まれていた。
「まだだ」
残った反対側の手に再びバットを掴み、自分よりも一回り以上大きい体に足を踏み込んで勢いを付けーーそのまま、バットを頭に叩き込む。
捕まれていた腕が離れバットを躱されそうになるが、その体制からならどう避けるかは限られる。華蓮は瞬時に叩き込む位置を変え、鬼が頭を避けた時には既にそこにバットを向けていた。
「ッぎあ゛あ゛!!」
奇声というよりも、奇音と言った方がいいかもしれない。思わず顔をしかめるような程に耳障りな音と共に、先程は微塵も衝撃を感じていなかった鬼がぐらりと後ろにふらついた。
これだけの力で叩き込んでも、ふらつく程度。速さもそこそこに、固さはワンランク上ということだが、今ならまだ。
「足だ」
亞希の言葉が耳に届いた頃、既に動きは開始されていた。ずんっと踏ん張っている足を狙い、バットを打ち込もうとした時。
ギロリと睨む視線と、目が合った。
ゴリッと、足の間接にバットが食い込む。「ギギャギャ」と耳障りな奇声で狙い通りに当たったことを確信する。
しかし、合ったままの視線。
既に目の前にある手の速さに、この状態から反応するのには…どう体を駆使したとしても間に合わない。
「悪いが、少し使ってもらう」
高速でスライドするように、自分を睨み付けていた視線が消え。声がした。
「っ?」
ぐっと腕を引かれたかと思うと、いつの間にか鬼から少し離れた場所に立っている。
……何が起こった?
何の前触れもなく何かが現れ、そして瞬く間もなく声と共に何かが消え。腕を引かれる以前に、掴まれたことすら気が付かなかった。移動していたことなどもっての他。
全く何も、見えなかった。
「やはり、足疾鬼となると速さの質が違うな」
そう言いながら腕を離されたことで、華蓮はようやく今の一連の流れが真柚によってなされたものだと察した。…とはいえ察しただけであって、何も理解はしていない。
「何故お前が俺を使えた?」
怪訝そうな顔で真柚を見上げる亞希。
使った。つまり、華蓮が亞希から力を借りて加速するのと同じ事を真柚がやったということか。だからあれ程の速さが出せた、ということなら理解出来なくもないが……それにしても、自分の目にも止まらない程の加速が出切るとは。
そもそも、呪いで繋がっている秋生は別として、華蓮以外に亞希に力を借りることは不可能な筈だ。
「私が君を使ったのではなく、君が私を使ったんだ」
「どういうことだ?」
「分かりやすく言うと、私の立ち位置は華蓮の持っているバットのようなものだ」
華蓮は思わず手にしているバットに目を向けていた。
これと同じということは、華蓮がバットを亞希の意思を通じて自在に飛ばすようにーー真柚は本人そのものが、誰かの意思ないしは自分の意思で誰かの武器として立ち回れるということだろうか。
それで自分が使う側でなく使われる側…となるならば。バットに亞希の力を変換して与えるように、真柚にも同じく亞希の力を変換して与えることが出来るのかもしれない。
………全然、理解は出来ていないが。
空から隕石を落とす人間がいるような世界だ。もうどんなに意味不明な理屈を説明されても、そうなのかと納得せざるを得ない。
「随分と特殊な体質だな」
「元より、生贄の為だけに生まれてきた身だからな。使われるのが性に合っているんだろう」
それは…なんとも。
冗談として受けとるにはあまり笑えない。本人はまるで気にも止めてないようだが…流石に笑えない。
「……それはそうと」
亞希が真柚から別の方へと向く。
そうだ。起こったことを理解するのに手間取ったせいで(未だにちゃんと理解しているのかは謎だが)、どうしてそれが起こったかということを失念していた。華蓮も同じように、鬼のいる場所を向く。
するとそこには、華蓮が足を潰したことで跪いている鬼。そしてもう一人……全く同じ別の鬼が、近くに転がっていた。
「いつの間に2人に……」
「手出しをする気はなかったが、ああなると話は別だ。……そもそも、2人でもなさそうだしな」
「は?……あ」
ズルズルッと、池の水がなくなった場所から黒いヘドロのようなものが湧き出して来た。そしてそれは瞬く間にその場に溜まり、人体の形を成していく。
それがひとつ…ふたつ、みっつ………池という池から、どんどん湧き上がってくるではないか。
「これは果たして琉佳さんの魂の悪あがきなのか、それとも…」
真柚は未だにその手の中にーーあった筈の、小汚ない結晶はなくなっていた。真柚は空になった手を見つめているだけだった。
「さっきのあれは?」
「2体目を蹴った時についでに戻した。…が、時既に遅しだったのか。それとも安易に戻すべきではなかったか……私のミスかな」
ドロドロと増えていくものたちを見て、真柚が少し深刻そうな顔になる。
「いいや、あの魂の根元は性格が悪いからな。きっとあいつのせいだ」
だから真柚のせいではない。と、華蓮は思っている。そもそもそれを言い出したら、一緒に取った時点で色々とアウトだったのだから、今さら真柚だけが責任を感じるようなことを言う必要はない。
そういう意味を込めて言った言葉が、随分と回りくどいなと自分でも思った。どうやら真柚にはそれが伝わったようで、少し深刻そうだった顔に笑いがこぼれた。
「じゃあ、そういうことにしておこう」
どうしてだろう。
笑いかけられると、どこか嬉しさを感じる反面に悲壮感のようなものが増す。
「よそ事を考えてる暇はない。来るぞ」
亞希の言葉を聞き、辺りを見回す。
形を成した何かが一斉にこちらを向いていた。足を負傷しているものが目的の魂であるが…一直線に向かい、それを倒せば終わりだとそう簡単な話ではなくなってきた。
「これだけ多いと、目的の奴まで辿り着くのも一苦労だな」
そう。
これだけの数が一斉に襲ってくるとなると、いくら一直線に向かったとして辿り着けるかどうか。華蓮は基本的に少人数相手の接近戦派。真柚は使われる相手によることから、その根幹が亞希となるとやはり同じ。
それならば、いっそ魂ごと一斉に焼き払う方が早いか。きっと、図太い魂だ。少々のことでは壊れたりしないだろう。
「……ひとつ、策がないこともない」
華蓮はそう呟く。
正直言ってあまり自信はないが、それでも成功すればこの群れを一掃できる策。………ただやっぱり、自信はないのだか。
しかし、他にどうしようもないこの状況では、一か八か……自分に賭けるしかない。
とはいえ、それをする為には真柚の協力が不可欠であるが。
「私はどうすればいい?」
やはり心を読んでいるのか。
真柚は特にその内容を聞くでもなく、華蓮へ問いかけた。
もしも本人の言葉通りに顔色を読んでいるのなら、華蓮に自信がないことも分かっている筈だが。それでもまるで躊躇なく、華蓮の策に協力してくれるようだった。
「集中する時間が欲しい」
誰にも邪魔をされず、じっとする時間が。
「つまりあれを引き付ければいいわけか。問題ない」
「けど……」
成功するかは分からない。
そう言おうとした折り、唐突にぱんっと軽く背中を叩かれた。
「心配するな。失敗なんてしないから」
華蓮が何をするかも分かっていない筈なのに。真柚は当たり前だと言わんばかりに、そう言い切った。
……大丈夫だ。
華蓮はそう思い、真柚の言葉に頷いた。
「俺が援護しよう」
「華蓮に力を貸さなくていいのか?」
「あいつが今からやるのは趣味の延長みたいなものだからな。俺は関係ない」
「趣味の延長?」
「見ればわかるだろう。その下らなさもな」
「……まぁそれなら、思う存分使ってもらって構わない」
「そうか?ならば遠慮なく」
「ーーー!?」
華蓮の目の前で亞希と真柚が会話をしていたかと思ったら、一瞬で風を巻き起こすこともなくその場から消えていた。
見えない。しかし、確実にひとつ、またひとつと無数の何かが崩れている。光の速さとはよく言ったものだがーーこれがそれなのだろうか。
「……俺がやらなくてもいいんじゃないか?」
一人でそんなことを呟いてみる華蓮であったが。
いくら光の速さとはいえ、やはり数が多すぎる。確実に崩しつつもそこから前に進んでいる様子はないく、同じ場所でそれ以上こちらに侵食するのを防ぐので精一杯という様子だった。
「……」
華蓮はその場にしゃがみ、地面に手を付いた。ここからいつもは少し集中して、後は適当に何となく勢いでやるのだが……そういうわけにもいかない。
しっかりと集中して、どこからどこまでの範囲を、どれくらいの力で、どんな風にーー全てを頭の中で完璧にイメージしてから解き放つ。
「ーーー」
ずんっと、全身に重石がのし掛かったよつな衝撃を感じた。
本気で結界を張るとこんなにもダイレクトに体へと影響があるのか。今まで一体どれだけ、適当で雑なことをしていたのか……まぁそれでも、事欠かなかったのだからそれはそれでいいとして。
「……ひとつめ」
最初の結界が広がる。
地面を這い、全てを覆い尽くしてからそらへと伸びる。
「ふたつめ」
今一度。
空を覆い、全てを飲み込んでから地面へと伝う。
「みっつめ」
地面と空と、全てを覆い全てを飲み込んで繋がる。
「よっつめ」
そして最後に、傷付けたくないものは決して傷付けない。
「亞希」
華蓮の声と共に、空に向かって閃光が走る。そしてそれは迷わず今華蓮が広げたばかりの結界へと突っ込んだ。
音はしない。
透明な結界にいくつもの筋が入り、瞬く間もなくその全てが砕け散った。結界の欠片が、ガラスようにパラパラと舞う。
「……流石にあれだよな。この状況でドヤ顔で言うのはあれだよな」
「何をもたもたしている」
上空からパラパラと落ち始めた結界の欠片を見つめながら、華蓮は悩む。
すると亞希が訝しげに顔を出した。いつの間にか真柚も隣にいて、どっと疲れたように地面に腰を下ろしている。
「……言いたいけど、そんなこと言って失敗してもあれだからな。成功したとしても著作権的に」
「馬鹿か貴様は。さっさとしろ」
「……」
亞希に吐き捨てられ、華蓮は仕方なく無言で事を進めることにした。
本当は全てを瞬時に認識することが出来ればもっと精度は上がるが、華蓮にはまだそこまでの技術はない。だから狙いを定めることはせずーーー落とす。
「ファンネル」
「は?」
華蓮が真柚の方を向いた瞬間、パラパラと舞っていた結界の欠片が一度ピタリと制止。そして一斉に、蠢くものたちへ向かって落下する。
落下。凄まじいスピードで、そのすべてを貫いていく。確実にその核を狙い、瞬く間に次々と貫いていく。
「貴様も馬鹿なのか?」
「華蓮が言わないから空気を読んだだけだ。それに、一度言ってみたかったしな」
「……」
どこか呆れたような目で、亞希が真柚を見下ろす。座り込んでいる真柚は亞希を見上げながら、どこか楽しそうにそう返していた。
しかし、華蓮は納得がいかない。初めて実戦で成功したし、次に成功するかも分からないし…本当は自分で言いたかったのに、むしろこっちが空気を読んで言わなかったというのに。
ちょっとした恨めしさすら感じる。
「そんなに恨めしそうな顔をするなら、次は迷わず自分で言うといい」
「恨めしくなんかない」
「顔に出てる」
くすりと笑うその姿は、確信しているという様子だった。
どうしてこんなにも見透かされてしまうのか、華蓮は不思議でならない
![](//img.mobilerz.net/img/i/65533.gif)
。先程は家族や恋人ならそれも有り得なくないが……と考えたが。真柚の様子はない例えば家族の中でも、子供のことならお見通しという母親のようだと思った。
「おい、体たらく共」
「誰が…っと」
さっきまで隣にいた亞希の声が少し遠くの方から聞こえてきた。馬鹿にしたような口振りに反論しようとしたところ、何かを投げ付けられ言葉も事切れに、それを受け取る。
亞希が投げ付けてきたものは、青色の結晶のようなものだった。最初に見つけたものとは違い、手に取るとその手が透けて見える程に透き通っていて綺麗な青色だ。
「もしかしてこれが?」
「ああ、琉佳さんの魂だな」
「てことは…目的は達したってことか?」
「だな」
魂を差し出すと、真柚はそれを受け取って雑な扱いでポケットに放り込んだ。仮にも人の魂にそんな扱いをしていいのかと一瞬だけ思った華蓮だが。この魂の持ち主に散々な目に遭わされたことを思い出して、いっそ一度くらい踏みつけてやればよかったかと思い直した。
そして、一番の目的を達したということは。ひとまず横に置いておいた、次の問題に差し掛からなければならないということだ。
「どうするんだ?この干からびた池」
華蓮が問い掛けると、真柚は眉をひそめながら腕を組んだ。
汚い結晶を元に戻した今、これ以上やることなどないのではと思う華蓮であったが。真柚ならば、どうにか出来るのだろうか。
「よし」
しばらく底の見えない池を見下ろして真柚が、何かを思い付いた……というよりも、決断したと言うように顔をあげた。
何かいい案が浮かんだのか。
「見つかる前に逃げるが先決」
なんと妙案か。
そう言わんばかりに清々しい顔をして、真柚は人差し指を立てていた。
「……」
「何だその顔は」
華蓮が顔をしかめたのに対して、真柚も同じく顔をしかめる。他にいい案があるなら言ってみろという様子だ。
前に会った時は凄く完璧な大人な雰囲気を醸し出していたというのに。行き当たりばったりで石を手にしてみたり(それは華蓮も他人事ではないが)、ファンネルの横取りといい、そんなイメージが崩れつつある。
とはいえ、それでも華蓮よりは随分と大人である。だからきっと、他に方法がないと言うのなら華蓮が考えるまでもなくその通りなのだろう。
「まぁ、他に方法もないし…」
どうせバレるような気がしないでもないが。それはその時のこと。
どうすることも出来ないならば、いつまでもここにいる理由はない。それに逃げて見つからなければ御の字、ということだ。
「そうと決まればさっさと動…」
どぱッ。
突如、背後の池から水が吹き上がった。
一瞬で一定量まで上がった水が、ぐねりと曲がり真柚へと標的を定める。
「ーー」
ああ、そう言えば。
自分は何て呼べばいいのか聞いてなかった。
何て呼べばーーー
バチバチッと、脳内に電気が走るような感覚がした。
ーーずっとまゆって呼んでるけど、お兄ちゃんとかって呼んだ方がいい?
ーー今さらどうしたんだ?
ーーアニメじゃあ皆お兄ちゃとか、あにき、とか呼んでるから
ーーいい、気持ち悪い
ーー気持ち悪いって、酷いだろそれは
でもよかった。
今さらお兄ちゃんなんてこっぱずかしいし。
じゃあずっと、まゆでいいな。
………ずっと?
再び、バチバチッと。
たった今、頭の中で起きた全ての事がリセットされた。
「ーーーまゆ!!」
真柚が振り向くよりも速く、華蓮はその腕を引いていた。
ドシャアッと、地面に叩き付けられた水は……とても水が落ちてきた圧力ではなく、地面を抉っていた。その下にいれば間違いなく、圧死していただろう。
「助かった」
「………いや、…ええと」
華蓮は戸惑っていた。自分が咄嗟に、真柚に向かって叫んでしまっことを。
思い返せばわざわざ名前を呼ばなくても、危ないとか、避けろとか、バリエーションは色々とあった筈なのに。咄嗟に叫んでしまっていたことを。
そもそも、何であんな呼び方をしてしまったのだろう?
「それで構わない。皆そう呼ぶしな」
「……」
皆ーーといっても、同年代か年上にそう呼ばれるのと、年下に呼ばれるのとでは話が違うのではないだろうか。真柚はまるで気にしていない様子だが、華蓮は敬語の時と同様なことを思う。
しかし一度呼んでしまった以上。そしてそれが認められてしまった以上。これ以上気にしても仕方がない。そしてきっと、そう呼び続けなければ逆に変な空気になる
![](//img.mobilerz.net/img/i/65533.gif)
。
「お前たち、付き合いたてのカップルみたいなことをやっている場合じゃないだろう」
亞希のざれ言に苦言を呈したいところだったが。実際にそれどころではないということは、地鳴りのような音が聞こえてきたことで分かった。
ゴゴゴ…と、地震が来る直前に聞く音に似ているようにも思うが、それとは少し違う音にも思える。それが段々と大きくなって……近寄って来ていることは確かだ。地下から、何かが上がって来る。
華蓮と真柚は、揃って池から距離を取った。
どしゃあああ!!
先程とは比べ物にならない量の水が、そこら中の池から吹き上がる。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ。順番に、切りなく吹きたがっていく。
今度は先程とは違い、それが標的を定めることはない。空に舞い上がった水はシャワーのように辺りを濡らすと同時に、ゆっくりと静まっていく。
「え?」
真柚と華蓮は目を見開いた。
一ヶ所だげ、池とは違う場所から水が吹き出した場所があった。そしてそこだけ、水が引いて尚も空に何かが残っている。
しかしそれも一瞬の出来事。水の圧力で重力に逆らっていた為に、それがなくなると直ぐに重力に逆らうことが出来なくなり……。
「うぁああああああ!!!!」
人が2人、落ちてきた。
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