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6月第3日曜日 父の日
牢獄での一幕

大「父親なぁ。目の前でこ…」
要「わー!わーわーわー!大晟はだめ!空気が悪くなるから!」
大「そういうお前はどうなんだよ?」
要「俺はそもそも親なんていねーもん。物心ついたときから路地裏のホームレス集団の中にいたし。ホームレスなんて誰も父親らしいことしてくんねーだろ」
大「お前だって微妙な空気になるじゃねぇか。誰かまともに父親がいる奴はいねぇのか」
要「うーん。あんまり家族の話とか聞いたことないしなぁ。あ、有里ちゃんちょっと!有里ちゃんの父親ってまとも!?」
大「聞き方がドストレートすぎんだろ」
有「父親ぁ?さぁ、知らねーよ。母親が遊び人でどの男が父親か分からないけどとりあえず産んだって言ってたし」
要「そんな無責任な男絶対ぇまともじゃねーわ。次!あ、稜海…は、何でもない」
稜「何だよ?」
大「今日は父の日だから、まともな父親の話が聞けるやつを探してんだよ。でも、お前を呼んだ瞬間に聞いてはいけないと悟ったんだろ」
稜「まぁ、生まれた子供を実験所に売り渡すくらいだから、ろくでもないことに変わりはねぇだろ」
要「気を利かせて聞かなかったのに喋るのかよ。あ、龍遠こっち来んな!」
龍「酷い言いぐさだね。ちなみに、俺たちの父親的存在は実験所の園長だったけど、とてもじゃないけど親なんてもんじゃなかったよ」
要「だから来んなって言ったのに!」
大「どっから聞いてたんだよ。地獄耳だな…」
要「誰か他にいねぇのか!あー!雅、純!」
雅「なんやねん?」
要「お前らの父親はまともだった!?」
雅「小さい頃死んでもうたからなぁ。どうやろ?」
純「俺はずっと孤児院だったから、父親はいないし」
要「ダメだ!…あ、そうだ!享は!?享みたいなまともな人種が育つってことは、まともな父親なんじゃねーの!?」
大「待て、享の父親ってことは捷の父親ってことだぞ」
要「…ダメだ、終わった。…あ、でも一応聞いてみよう。享ー捷ー、あとついでに蒼も」
蒼「ついでって何?」
要「お前たちの父親はまともか?」
享「父親?…仕事であんま家にはいなかったけど、よく遊んでくれたし。俺は好きだった」
要「やっぱり享は裏切らないな!!」
捷「でも、しょっちゅう血だらけになって帰ってきてたから、まともかどうかは…。暗殺されたし」
蒼「絶対まともじゃないじゃん。一般市民は暗殺なんてされないからね?」
要「……蒼は?」
蒼「俺は孤児院だったから。まぁ何となく記憶にあるけど、まともじゃあなかったよ」
要「もうダメだ。万策つきたとはこのことだ」
大「よくもまぁ、ここまで勢揃いしたもんだな」
要「俺たちに父の日を語る資格なんてない」
大「世の中にはもっとたくさん、いい父親がいるんだからな。落胆するなよ」
要「…この調査は今後も続けていく予定です。いつかまともな父親がいる人に出会えるまで!!」
大「まじかよ」


牢獄の人々は揃いも揃って問題有りという。
要はいつか、まともな父親のいる人に会えることができるのだろうか。
旅は続く。のか?笑

2018/06/17 06:43



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