侑と深月
fast.春人と世月


「今日はノーベル賞制定記念日と、更生保護記念日でーす」
「具体的にどういう記念日なんだ？」
「ノーベル賞の方からいく？1895年のこの日、スウェーデンの化学者ノーベルが自ら発明したダイナマイトで得た富を人類に貢献した人に与えたいという遺言を書いたんだって。それからノーベルが死んだ後、ノーベル財団が設立されて1901年に記念すべきノーベル賞の第1回受賞式が行われたらしいよ」
「ふーん」
「で」
「え、まだ続くのか」
「ノーベルの遺産を元にした基金168万ポンドの利子が、物理学・化学・生理学医学・文学…」
「ちょっとストップ。もうい…」
「文学・平和事業の5分野に貢献した人に贈られてるらしいよ。経済学賞が追加されたのは1969年」
「おーい、人の話聞いてんのお前？」
「毎年ノーベルの命日の12月10日に平和賞はオスロで、その他の賞はストックホルムで授賞式が行われるんだって」
「だって、じゃねぇから。後半全然入ってきてねぇよ」
「じゃあ次は更生保護記念日を…」
「いい。もうそっちはい…」
「1952年の今日、東京の日比谷で更生保護大会が開かれたことを記念した日だよ。刑務所から出所した人に更生する手伝いをすることが目的としてるんだって」
「いいっつってんのに聞かせるんじゃねぇよ」
「聞きたくないなら聞かなきゃいいでしょ」
「聞きたくなくても聞こえるんだよ！」
「まぁ僕の美声は数キロ先まで届くからね」
「とはいえ、出所してからも面倒見るなんて優しい奴らもいるんだな」
「ちょっと肝心なところスルーしないでくれる？…面倒見てあげないと無限ループなんじゃないの」
「あー、なるほどな。…ノーベル平和賞の方は、なんだったっけ？」
「聞き直すなら最初から真面目に聞いときなよ！ノーベル賞は…」



「仲良く喋ったり喧嘩したり忙しいですね〜」
「いつものことよ」
「どっちなのかはっきりすればいいのに…」
「あら春君いいこというわね。面と向かって言ってきていいのよ」
「いや、それはいいです」




とりあえずノーベルさんすげぇな偉大やなって思いました。
2014/11/27 17:09

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