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日常 | 小話 | 落書



1月12日 桜島の日
全ての災害を受け止める人

睡「ねーねーたぬくん。もしこの時代にお父さんがいたら、この噴火も止められてたの?」
鈴「出来た。でも、したかは分からない」
睡「止めない可能性があるってこと?」
鈴「…蓮は繋がりを大切にする人間。だから、もしもあの地に一人でも自分との繋がりのある者がいれば必ず助ける。あるいは、自分と繋がりのある誰かの、そのまた誰かが繋がっていて、求められれば同じように助ける」
睡「……じゃあ、繋がりがなければ?」
鈴「助けない」
睡「沢山の人が死ぬって分かっても?」
鈴「助けない。それが蓮の線引き」
睡「線引きか…」
鈴「いくら蓮が凄いからって、一人で全ての災害を受け止めて全ての生物を助けられるわけじゃない。だから蓮は、漫画や特撮のヒーローみたいにみんな助ける!なんて綺麗事は言わない。自分の繋がりのない所でどんな災害が起ころうが、誰が死のうが、知ったこっちゃない。けれど、自分とたった一瞬でも繋がりをもった命は絶対に助ける」
睡「……確かに、そういう線引きは必要だね」
鈴「そう。世の中、そんなに甘くないってこと」
睡「でもさ、そんな信念があるなら、おちおち旅行なんて出来ないね。だって、どこかに行って少しでも関係を持っちゃったら、助けなきゃって成っちゃうからさ」
鈴「………」
睡「あれ?そういうことじゃないの?」
鈴「……そういうことだと思う」
睡「どうしたの?複雑な顔して」
鈴「……高校の時の夏休み、琉佳に、夏休みくらい静かにさせろ、日本一周でもしてこいって言われて…日本、一周した」
睡「……まじで?」
鈴「北は北海道、南は沖縄。島という島まで余すことなく…タクシー使ってホテル暮らしなんてしたらぶっ殺すからなって言われて、バックパッカーみたいに自転車で、最低限のお金しか持ってなかったから、行く先々で色んな人にお世話になった」
睡「あーと?つまり?」
鈴「蓮は日本の全ての災害を受け止めて、全ての生き物を助けなきゃいけない。それが線引きだから」
睡「日本全国どこでも、災害どんとこいってこと?」
鈴「人為的なものでなければ、蓮が防ぐ」
睡「まじですか……」

瀬「なるほど。それが狙いで蓮に世界一周なんてさせたのか…」
蓮「いや、瀬高くん。日本、日本。世界なんてそんな規模、流石に手に負えない」
琉「世界か…」
蓮「何でいるですか何呟いてんですか行きませんよ」
琉「全部片付いたら夫婦で世界旅行でも…とか何とか言って睡華を焚き付けるか」
蓮「冗談は笑える程度でお願いします」
大「じゃあ、ついでに僕の手伝いもして貰おうか。旅行にも刺激は必要だろうし」
蓮「だから何でいるんですか何言ってんですか行きませんって。おい言い出しっぺ、この2人になんとか言って」
瀬「がんばっ☆」
蓮「いい歳して何が、がんばっ☆だ!気色悪いなっ。お前のせいでとんでもないもん背負わされそうになってるだろ、どうにかしろ!」
瀬「……がんばっ☆」
蓮「こいつ…もしも本当にそうなったら絶対に道連れにしてやる……」


向こう何十年、この世界が災害で滅ぶことはなさそうです。

2021/01/12 13:25



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