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1月11日 樽酒の日&鏡開きの日 second
夏川さんちに住む妖怪さんたち

亞「はいはい今年も元気に使いっ走りしてますよー」
八「2年前は生身だったゆか姉さんもザルの仲間入りで破壊力は増してますよー」
亞「まぁ、今年はついでに飲みまくって程よく酔ってるから問題はないがな」
八「そうそう!それに僕はどんなに使いっ走りにされても何の文句もないよ。何せ僕達は李月や華蓮たちに比べたら、余程幸せな人生を与えられてると最近つくづく思うからね」
亞「確かにそうだな。家族を奪われることもなく、兄弟を失うこともなく、運命に翻弄されることもなく…」
八「いや、亞希は家族奪われたんでしょ。だから修羅の道に向かってったんじゃないの?」
亞「あー、そうだった。そうだった。忘れてた」
八「忘れちゃダメでしょ。対して僕は生まれながらの殺戮蛇!災害の神と呼ばれる程に人間を殺し、殺し、喰らい、喰らい、決して救われる価値などないこの命。しかし今この手にあるのはこれ以上ないほどのこの安楽の生活。これ以上に何を望む?否、望むなかれ!」
亞「質問」
八「はい、何ですか」
亞「お前、そんなに生まれてからずっと殺すだけの人生だったのに、何がきっかけでそれをやめようと思ったんだ?」
八「……それは、えーと、うん、まぁ、色々とね」
亞「何だその感じは」
八「……いや、そんな、大したことじゃいよ」
良「解せぬ」
八「うわ!ビックリした!」
良「明らかに何か隠しておるじゃろう?わらわに話して聞かせよ」
八「いや、別に何も隠してなんかないよ」
良「よもや、そなた程の妖怪がどこの馬の骨とも分からぬ人間如きに封印されるわけもあるまい?」
八「いや…不意をつかれたというか。…てか、あの伝承の八岐大蛇が僕達とは限らないし」
良「そなたは先に自らで申したであろう。一時は災害の神と呼ばれることもあったと。そう伝説の八岐大蛇とは、須佐之男命に討たれたとされる八岐大蛇だけであるぞ」
八「何でちゃっかり僕達の話聞いてるの…」
縁「諦めなぁ、八都。きゅーちゃんの絡み酒は自分の求めてる回答が得られるまで治りゃしないさねぇ」
亞「縁の言う通りだ。酔いが覚めてもどこまでもしつこく問い詰めてくるからな。こうなったら漬け込まれる隙を見せたお前の失敗だ、諦めろ」
良「さぁ、さぁさぁ答えよ。殺すことにしか生を見出せなかった時の中で、何がそなたを動かしたのじゃや?何がそなたの時を止めた?」
八「……はぁ。分かった、いいよ。けど、それはあくまでもきっかけであって、それが全てであったってわけではないからね?」
良「うむ。そなたの意思は尊重しよう」
八「……僕も、つい最近まで、覚えてもなかったんだけど……」


ということで、本日更新の短編へ続きます。

2021/01/11 11:30



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