Day

newinfomainclap*res


日常 | 小話 | 落書



2月18日 方言の日
方言について聞き回る天狗さん

侑「方言ってさ、可愛いよね。ひすいのはちょっとばばくさいけど」
ひ「失礼じゃね」
夕「ひすいはこのばばくさいのが可愛いんだよ」
ひ「あんたいつも、俺のことばばくさい思うちょるんか」
夕「え、いや。あの…かわい…」
ひ「そうかそうか、ばばくさい思うちょるんか。ふぅん」
夕「いや違うよ。違うんです」
ひ「飛縁魔の喋り方と、どっちがばば臭いと思うちょるんか」
夕「……どっちと答えても、僕にメリットがないのですがそれは」
ひ「つまり、どっちもばば臭いとは思うちょるっちゅーことじゃね」
侑「ていうか、飛縁魔のあれって方言なの?」
ひ「そんなことはどうでもええんちゃ。外野は黙っちょらんか」
侑「あ、はい。ごめんなさい」
ひ「挙げ句の果てに、飛縁魔怖さに俺の方がマシじゃとも答えられんちゅうんはどういうことなん?」
夕「ひすいさん冷気がっ、冷気がっ!!」
侑「凍っちゃう前にかーえろっと。ばいばーい」
夕「あっ、ちょっ、地雷ばら蒔くだけばら蒔いて見捨てないでよ!?」


侑「…てことがあったの。でさ、飛縁魔のそれも方言なの?」
ゆ「さぁねぇ。どうかねぇ」
侑「でも、飛縁魔の喋り方は確かにばばくさいよね。そんな喋り方だから、若いのばさんみたいに見えちゃうんだよ」
ゆ「……あんた、喧嘩売りに来たのかい?」
侑「いやでもさ、もっと今時な喋り方してみたら?ババ臭いのなんていいことないよ?」
ゆ「……喧嘩売るどころか、殺されに来たのかい?」
良「しかし天狗よ。ひーちゃんがババ臭いと申すのなら、わらわはどうなるのじゃ?」
侑「良狐ちゃんはいっそ突き抜けてるからオッケーなんだよ。あと飛縁魔と違って風格のある妖怪っぽいからね」
良「うむ…。違いがよう分からぬの……」
亞「妖怪っぽさという話なら、縁もそう捉えるのでは駄目なのか?そもそも、良狐の方が余程古風な喋り口だと思うが」
侑「古風って言うと確かにね。でも、良狐ちゃんに比べて飛縁魔のはババアって感じが強いじゃん」
縁「もう殺してもいいだろう?ねぇ?」
八「ダメダメ姉さん、落ち着いて」
侑「八番君はどう思う?」
八「僕はゆか姉さんがどんな喋り方してようとどうでもいいし、微塵も興味ないよ」
侑「あ、そうなんだ。意外とドライだね」
亞「何だお前…いつももふもふさせて貰ってる分際で……」
良「下衆蛇め。ひーちゃんから離れよ、金輪際近寄るでない」←八都の頭から縁を引ったくる
八「えっ、なんでっ」
亞良「うるさい。散れ」
侑「うわ凄い殺気!…よく分かんないけど、謝った方がよくない?」
八「えー。でも実際問題どうでもいいでしょ、そんなこと」
良「まだ言うか下衆が」
八「いやだって、喋り方が変わったからって性格やもふもふまで変わるわけでもないんだしさ。どんな口調だってゆか姉さんはもふもふしてて可愛いじゃん。だから別に、どうでもいいでしょ?」
亞良「………」
ゆ「あんた、それと酒呑む以外にすることないのかい?」
八「探せばあるのかもしれないけど、別にいらないよ。僕はこのもふもふさえあれば幸せ」
ゆ「夢のない蛇だねぇ」


侑「これは由々しき事態にゃん」
深「……」
侑「あのくそババアですら可愛いと言ってもらえるこのご時世、僕にそれがないのは方言がないせいだと思ったにゃん」
深「……」
侑「それで僕も方言を使うことにしたにゃん」
深「……」
侑「おいこら何か言えにゃん」
深「…….それは方言じゃねぇし、気持ち悪いからやめろ」
侑「え?そんなに?そんな酷い顔するほど気持ち悪いの?」
深「そうだ。だから二度と使うんじゃねぇぞ。いいか、二度とだからな」
侑「わ、分かりました……」

華「(ツボだったんだな…)」
李「(すっごいツボだったんだな…)」
双「(誰にも見せたくない程ツボだったんだな…)」



方言って面白いですよね。
同じ県内でも端と端で全然違うし、それどころかほんの十数キロの距離の別地域でも違ったりもしますし。
どうせ同じ方言を喋るなら、可愛い方言がよかったなぁと思っていた時期がありました。

2020/02/18 08:06



[Top]
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -