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日常 | 小話 | 落書



1月21日 ライバルが手を結ぶ日━second
桜生と李月
おまけに華蓮と秋生

桜「君達は覚えているだろうか。去年のこの日のことを」
李「(シリアスっぽくしてるんだろうけど、ビジュアルがなぁ……)」
桜「ちょっといつくん、その顔は何?一所懸命に雰囲気出しても僕じゃいまいち、みたいなその顔は!!」
李「(例によって自覚はあるんだな。そしてそれでもやるんだな)…いいや別に。で、去年の去年の今日がどうしたって?」
桜「まさかいつくん、覚えてないの!?僕たちが固く誓い合ったこの日を!」
李「固く誓い合ったかどうかは置いといて、覚えてはいる。華蓮と秋生を引き裂く術を探すんだったな」
桜「その通りです。あの日僕たちはその術を見つけられず、故にその日から彼らをよく観察し二人を引き裂く何かを探し出そうと誓い合い……あっという間に一年の月日!」
李「早いもんだなぁ」
桜「本当にね。でも我々はそんな月日の流れの速さに染々している場合ではありません、由々しき事態ですよ!」
李「結局の所あの二人を引き裂く方法は全く見つからないどころか、日を追う事に仲睦まじさが増してるからな」
桜「それね!!」
李「やっぱりどう転んでも契ってのがネックなんだよな。あのチート機能のせいであいつらを引き裂くことへのハードルが格段に上がってると俺は思う」
桜「特別感強いからねー。それもこーんな小さい頃に奇跡的にとかいう時点でもうね。運命というよりもできレースですよ」
李「そんなできレースの前じゃあ、どんな方法を試したところで無意味。多分、例え物理的に地獄と天国にぶっ飛ばして引き裂こうとしても絶対に離れないだろ、あいつら」
桜「血反吐いても絶対にね」
李「血反吐いても互いがいれば全快出来るしな」
桜「……一年越しにこんなこと言うのもだけど、これってもうあの二人を引き裂くとか無理ゲーじゃん」
李「一年前に気付くべきだったな(まぁ、この一年何をしたわけでもないけど)」
桜「でもなんかそれじゃあつまんないんだよね。あの二人が仲良くしてるのはもうお腹一杯なの」
李「そうだな。もう引き裂くのは諦めるとして、せめて喧嘩の一つでもさせたいもんだな」
桜「喧嘩の原因でっちあげる?」
李「秋生はともかく、華蓮ば馬鹿じゃないからな。すぐにバレるだろ」
桜「そうか…。なんかこう、ないもんですかね?」
李「今のところはない。…仕方ないから、今年はあの二人を上手く喧嘩させるための方法を探す一年にするか」
桜「だね。それならまだ望みありそうだし、頑張ろ!」


秋「やっぱりあの人たちは俺たちのことが嫌いなんですかね?」
華「馬鹿なだけだ。放っとけ」
秋「でも実際問題、俺が天国で先輩が地獄に吹っ飛ばされたらどうします?」
華「ちょっと待て。何で当たり前のようにお前が天国で俺が地獄なんだ?」
秋「先輩、天国に行く気なんですか?秒で追い出されますよ」
華「お前こそ、自分が天国に行けるような器だと思ってるのか?」
秋「そりゃあ俺は常に素直で正直に嘘偽りなく生きてますもん」
華「常に素直で正直に嘘偽りなく?本当にそうなんだろうな?」
秋「な……何ですかその目は」
華「まぁそうだな。玄関ですっ転んで頭突きで扉を壊したのを見かねて鈴々が直したことに関しては、素直で正直に嘘偽りなく生きていると言うんだからきっと言い忘れたんだろうな」
秋「え」
華「俺が貸しておいたゲーム機を壊して、深月に頼んで修理に出したはいいがデータが全部ふっ飛んで未だに俺に返ってきてないことも言い忘れたのか?お前はもうテレビで検索はしていないと言っていたが、じゃあ検索候補にいつもしっかり残っているのは何でだろうな?…ああ、そうだ。あれだけ一人で出歩く時は気を付けろと言っているのに、今週は三度も危ない目に遭って亞希を呼び出したらしいな?それも近道だとかいって自分から人気のない路地裏に入り込んだとか?」
秋「なっ…何でそんなことまで知って…じゃないっ。か、仮にそうだとしても、玄関は元通りですしゲームはいずれ返しますしヘッド様検索は俺の生き甲斐だし三回とも先輩を呼ぶまでもなく無事でしたしっ。結果的に先輩には迷惑はかけてないじゃないですか!」
華「俺の迷惑が云々じゃなくて、お前が素直で正直に嘘偽りなくということについて全くそうじゃないことが問題なんだろ。それに、ゲームに関しては明確に迷惑だ。まぁ、もう新しいのを買ってコンプしたからいいけどな」
秋「ええ!?じゃあ俺が必死に先輩のデータの進行度まで進めてるのは何だったんだ……。てか、それならそうと教えて下さいよ!ほんっとに性格悪いですね!」
華「そもそもお前が隠してるのが悪いんだろうが。責任転嫁も大概にしとけよ。そんなことでよく天国に行くなんて宣ったもんだな」
秋「い、いずれはちゃんと返して話すつもりでした!あと俺は先輩みたいに容赦なく人を叩き潰したりしないので、どっちかとなると俺が天国に行くことに変わりはないと思います!」
華「……仮に俺が天国に行くことがないとしても、だからといってお前が天国に行くことも認めない」
秋「そんなの先輩が決めることじゃないです」
華「俺が決めることでなくても、どうせ秒で追い返される」
秋「そんなことありませんー。大歓迎とはいかなくても、受け入れてもらえますー。そうしたらすぐに地獄に行ってドヤ顔してやりますからね!」
華「はっ。追い返されて泣きついてきても知らないからな」


これも一種の喧嘩なのでしょうか。
そして結果的には同じ地獄に行くんですねっていう。きっと引き離すことは無理ですね。
ヒートアップして言い争ってますが、明らかに悪いのは秋生です。仮に華蓮と秋生が喧嘩するとしたら、100%今のように秋生が原因だと思います。
何かやらかした時に普段はすぐ謝るけど、ちょっとしたことで素直に謝れない的な。それでヒートアップしてお互い言いすぎて、結果的にどっちも謝れず。そうしてずるずる思い悩んでぐずぐずしてる秋生は目に浮かぶようです。華蓮も華蓮で、原因は秋生にしろ売り言葉に買い言葉でちょっと言いすぎて、それを分かっていても素直になれずっていう。
まぁどうせ仲直りして一層仲睦まじくなるんでしょうけど、たまにはそんな喧嘩をしてみたらいいと思います。


2020/01/21 13:04



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